練習してるのに弾けないのはなぜ?

生徒
生徒

ピアノが弾けるようになりたいです!

先生
先生

では、たくさん練習しましょうね。

生徒
生徒

はい!
たくさん練習します!

約束通り、生徒さんは練習をしました。
しかしやがて、出来ないところも増えてきます。

先生
先生

生徒ちゃん!

ここはファじゃなくてミよ!
気をつけて!

生徒
生徒

はい!
気をつけます!

でもできません…

先生
先生

じゃあ、できるまでおうちで練習してきてね!

生徒
生徒

はーい…

そして生徒さんは練習し、
次第に弾けるようになりました。

そしてレッスンの日を迎えました。

先生
先生

どう?弾けた?

生徒
生徒

うん!頑張って何回も弾いた!

先生
先生

頑張ったのね!
じゃあ、弾いてみて!

生徒
生徒

うん!

ところが、残念ながら弾けません…

生徒
生徒

え?! お家では弾けたのに…

先生
先生

んじゃ、もう1週間練習してきてね。

先生
先生

あと、Aの曲はリズムを気をつけてね
B曲はフォルテにして、
C曲は、速くならないようにね!

頑張って!

生徒
生徒

はーい…


どうでしょうか?
よくあるレッスン風景かな?と思います。

理解力のある生徒さん、
客観的に音を聴ける生徒さんなら
これで弾けるかもしれません。

でも普通は難しいと思います。

理由は
・どうしてできないのか?
・どうしたらできるのか?

などの具体的指導がないからです。

具体的指導って何?

最初のつまづき。
「ミなのに、ファになる」問題。

どうしてそうなるのでしょうか?

原因として考えられるのは、

  • 間違えたことに気づいてない。(弾けているつもり)
  • 脳が考えるよりも前に指が動いている(運動感覚で覚えている)
  • 鍵盤を弾く順番を見た目で覚えている。(音符を読んでない)
  • 指の動きへの意識が薄い(音名だけが頼り)
  • 次の音符を見てない。(弾いた後の音符を見てることもある)
  • 伴奏部分であれば、「なぜミなのか?」の理論が分からない


    少ないケースだけど
  • ミとファの音符を読み間違えている
  • ミとファの鍵盤場所を勘違いしている


などです。

この場合よくある指導法としては
「部分練習」です。

部分練習とは
できない部分だけを
何度も繰り返し練習する方法。

曲の初めから通して弾くよりも
効率良く弾けるのです。

しかしこれでは
根本的原因の改善になりません。

理由は、単なる回数を重ねた部分練習は
「その曲を弾くための方法」
でしかないからです。

他の曲には通用しないのです。


なので、
そもそもの根本的原因の解決を行い、
他の曲にも通用するようにします。

例えば、

根本的原因の改善方法

  • 音名(階名)で歌わせる
  • 音名で歌いながら弾く真似をさせる
  • 指を動かさずに指番号を歌う
  • 音符を差しながら音名で歌う
  • 音名を歌いながら鍵盤を1本指で弾く
  • (理論が分かれば)そもそもなぜ「ミ」なのか?の理論
  • (場合によっては)「ファ」と「ミ」の曲イメージの違いを感じさせる

などです。

たかだか「ファ」→「ミ」にする指導だけですが
私が今ザッと思いつくだけで
こんなにたくさん考えることがあります。

ベテランの先生であれば、
もっと多くの解決策をご存知だと思います。


そしてその原因の改善は
その場でできることもありますが、

こうした根本的原因の改善は
時間がかかる場合が多いもの。

なので「弾けたね!」「頑張ってるね!」と
生徒さんの努力は認めつつも

生徒さんの未熟課題として先生が把握し、
別メニューを考え
普段のレッスンで継続して行います。

なぜならば
根本的原因を改善せずに先に進んでも
また同じような問題でつまづくからです。


未解決のまま進んだ結果、よくあるのが
教本は進んでるけど
簡単な曲でも初見で弾けないケース。

表面上弾けてても
残念ながら実力はつかないのです。

まるで算数ドリルの答えを
覚えてる状態ですね。

算数の場合、
・なぜその公式になるのか?
・どういう時にその公式を使うのか?
・実際に使うことができるか?
まで指導しないと身につきません。


このように「具体的指導」とは
・生徒さんの「できない原因」を把握する
・それを改善する活動を提案する

です。

他にも、ツイッターやヤフー知恵袋には
生徒さんのお困りごとで溢れています。

生徒
生徒

小さな音ってどうやって鳴らすの?

生徒
生徒

右手大きくってどうやるの?

生徒
生徒

分析って何するの?

生徒
生徒

同じテンポってどうやるの?

生徒
生徒

歌うようにってどうやるの?
歌えばいいの?

生徒
生徒

音を良く聴いてって…

聴いてるつもりなんだけど…

生徒
生徒

リズムを感じるってどんな感じ?

などなど

もちろん、ご自分で問題意識を持ち
探求するのは大切ですが、

本来であれば
ご自分の先生に尋ねるもの。


ツイッターで
生徒さん同士で教え合うって
何だか変な感じがします。


余談ですが
うちの教室はそれでも上手く行かなくて
通ってくれる方が多いです。


大人の生徒さんについては、

電車を乗り継いで
1時間
ほどかけて来られるのが半数以上。

習い事に往復2時間かけるって大変ですよ。
周りに教えてくれる先生はいないの?
本当に思います…

生徒さんの脳内を想像しよう

指導とは、このように
「生徒さんの『出来ない』『困った』を
できるようにする」ことです。


でも先の先生のように

・出来ない部分の指摘だけ
・次に弾く曲の指示

というのは、


算数の参考書を渡し、

・間違いを指摘する
・できてない所は「何度も読んで!」

と言っているようなもの。

でも算数を教える時、
・どんな誤解をしているのか?
・どの段階まで理解できているか?

などお子さんの脳内を想像しませんか?


ピアノ指導も同じ。

間違いの指摘で終わる。
というのは、生徒さんからすると

生徒
生徒

違うのは分かったよ!
でも、どうしたら良いのか分からないんだよ!

と思っています。


そして改善策を教えるのが指導者の役割。

なので
できない部分の指摘だけではなく、

・目の前の生徒さんは、自力で何ができるのか?
・楽譜から何を読んでいるのか?
・何を読んでないのか?
・脳内では何を想像しているか?


など

生徒さんの脳内を
先生が想像することが大事だと思います。

「たくさん弾かせる方法」よりも、たくさん弾かずにすむ「具体的指導」

このような具体的指導がないと、

たくさん弾いている割に
結果がついてこないので
「困っている生徒さん」が増えてきます。

そうすると
ピアノへのモチベーションも下がり
練習も滞りがち。

それどころか
「できない私はダメなんだ…」と、

自信を無くしてしまうことも…
とても残念ですね。


でもよくある先生の対応は

先生
先生

・好きな曲を弾いてもらおう!

・楽しいレッスンになるように珍しいことをしよう!

・練習したくなるようにご褒美を考えよう!


など
「出来ない」ことへの具体的指導ではなく
たくさん弾かせるための施策を考えがち。
(実は、これは昔の私です)

もちろんこれも大事な要素だと思います。
音楽を学ぶのに「楽しさ」は大前提ですから。

でも珍しいレッスンは、
「どんな学びがあり、どこに繋げるのか?」
の計画がないと、

「わー、楽しかった!!」と
単なるエンターテイメントでおしまいです。

ご褒美は、
弾けたこと自体をご褒美にしたいです。

実際のレッスンでも
困っている生徒さんからすると

生徒
生徒

そっか!そうすればいいんだ!

生徒
生徒

やった!弾けたよ!


などご褒美がなくても
十分喜んでもらえます。

そこは生徒さんの
「ピアノが弾けるようになりたい!」
という気持ちを信じてます。


もし何か物をあげるなら
「たくさん練習」にではなく、

少ない練習で弾くための
「工夫や思考、集中力、テクニック」を褒めたいですね。

その【少ない練習で弾くための知恵とテクニック
をレッスンで身につけさせるのが
指導者の仕事だと思います。

そのためには体系的な指導を

とここまで長々と書きましたが
私自身振り返っても、人のことを言えないくらい
ひどいレッスンをしてきました。

原因は、

・「ピアノが弾ければ教えられる」と考えてた

・「自分が教わったように教えれば良い」と考えてた

・指導の未熟さに気づいても、「何を」「どのように」「どのような順番で」教えるのか?という【体系的なピアノ指導方法】を教えてくれる場が少ない

です。

最初の2つは、
生徒さんに向き合えてなかったのが原因ですから
自業自得ですが、

最後の「体系的なピアノ指導」は
なかなかありません。
これって大きな問題だと思います。



なぜ「体系的」なのか?

物事を習得し応用させるには、丸暗記ではなく
「知識と知識をつなぐ」ことが必要だからです。

もちろん生徒さんが目指すところによっては
丸暗記の方が早い場合もあります。

でも、
指導がなくても好きな曲を弾くには

譜読みから自立した生徒さんを
育てる必要があると思います。

それを可能にするのが
ピアノアドヴェンチャー。

ただこれも他教本と同じように
・間違い指摘のレッスン
・楽しさを曲に任せる

それでは
今までの指導と変わらないように感じます。

というのも
移籍されて来た生徒さんの中には

ピアノアドヴェンチャーを使ったにも関わらず
つまづいている生徒さんがいるのです。

昔の私を見ているようで
ちょっと残念だなぁと思います。

でも一方で、私の周りの先生方は、

「自分が受けてきた指導では限界…」
「そもそも自分が弾けない…」

などご自分の未熟さを受け入れ、

それでも何とか
「目の前の生徒さんに寄り添いたい!」
「笑顔で帰って欲しい!」


と指導法を勉強し続けています。



若い先生だけではありません。

ベテラン先生も、
「まだ見えてない課題がないか?」と
日々研鑽を積まれています。

中には
生徒として私のレッスンを
受講して下さっている先生もおられますし、

ご自分が行っている指導の
アドバイスをさせていただいている先生もおられます。

自分の未熟を受け入れるって
結構勇気のいるなんですよね。

そんな進化を恐れない先生
そしてお困り解決型先生が増えて、

困ってる生徒さんが減ることを
願っています。


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