譜読みはグループ化すると楽

実は私は暗記が嫌い…

高校のころ、地理の先生に
「覚えたくないから、次のミニテスト受けない!
その代わりレポート書くから!」
と懇願したくらい…

その後も、
何とか覚えずに済む方法はないか?と
一時期模索しましたし、

昨年、大学で「記憶」についても学びました。


その結果、
全く覚えないわけには行かないけど、

記憶には
①覚える②忘れない
という2つの工程があり、

そのためには
①覚えやすくする方法
規則性を探したり、グループ化をする

②忘れにくくする方法
深く理解する

などがある。ということも分かりました。

記憶で意識されるのは、
「どうしたら早く覚えられるか?」
が多いですが、

「どうしたら忘れにくくなるか?」
も大事なのです。


譜読みも同じ。

譜読みは、
音符をひとつひとつ読みますが、

覚えやすくするために
・どのメロディーがグループ化できるか?
・そのメロディーがどのように変化しているか?

などを考えながら読みます。

また忘れにくくするために
・耳を使う
・鍵盤感覚を使う

すると良いです。

ちなみにこうした、
グループ化譜読み方法を
アメリカ指導では「パターン読み」と言います。
(パターンは、専門用語では「モチーフ」「楽節」とも呼ばれます)




そして私が普段使っているピアノアドヴェンチャーでは、
このパターン読みを学ぶ曲があります。

全音楽譜出版社HPより

この曲の場合、

  1. まずは1小節目の短いメロディーパターン「ドレミミ」を読む。
  2. それを3回繰り返す。
  3. 最後は「ド」でおしまい。


初めてのパターン読みなので、
とても単純な構成です

生徒の脳内は
♪ドレミミと歌いながら
「1回、2回、3回、ド〜」と考えており

多くの生徒さんは
1、2回で弾けます。


このようにアメリカ指導法では、

・音符たちをグループ化(パターン化)する
(例:リズムパターン・音程パターン・メロディーパターン・和音進行パターンなど今回は[メロディーパターン])

・そのグループがどのように発展して行くのか?
(例:繰り返す・ズレる・模倣する・拡大・縮小するなど。今回は[繰り返す]
を読む譜読み方法を行っています。



そしてパターン読みを使い、
小1生徒ちゃんに発表会で弾く
「空飛ぶカンガルー」(キャサリン・ロリン作曲)で弾いてみました。

キャサリン・ロリン《ビーニー動物園》より「空とぶカンガルー」

まずは概念の確認。

生徒ちゃんの習得済み概念は、初見で弾けるレベル。
これらが出てくる曲であれば、ほぼ止まらず間違えずに弾けます。
対して発表会曲にある太字は、まだ教えてない概念です。

生徒ちゃんの習得済み概念

  • 指番号
  • 鍵盤場所
  • オクターブ移動
  • 4分音符、2分音符、付点2分音符、全音符のリズムパターン
  • ドの5指スケール
  • 2度の動き
  • 読める音符:真ん中ドレミ、左手シラ

発表会曲の使用概念

  • 4分音符、付点2分音符
  • 4分休符、8分音符
  • 左手三和音
  • 3度
  • オクターブ移動
  • 出てくる音符:低いド〜高いミ


まだ教えていないこともたくさんありますが、

特に、鍵盤中央辺りの音符しか
読めない生徒ちゃんにとっては、

低〜い音や、高〜い音符を
読みながら弾くのは少々難しそうです。

もちろん、知っている音符から「どれみ…」と数えたら音名は分かりますが
それではスラスラ弾けるまでに時間がかかります。


なので今回の生徒ちゃんは、
音符を1音1音読むのではなく、
先のパターン譜読み方法を使います。

曲の構成は下の写真のようになり、
生徒ちゃんの脳内もこんな感じ。

曲の構成を図にしたもの

[カ]=1小節の短いパターン
(楽譜写真の♪カンガルー 和音までの部分)
[そ][ラ]=[カ]を少しだけ変化させたもの
(指の動きは同じだけど、弾き始めの場所をソやラからに変えただけ。[そ]の青字黒字の意味はありません。書いてる途中で文字も青の方が良いかも…と思い書き方を変えました。)



大まかな手順はこちらです。

  1. 1小節の短いメロディーパターンを弾く
    (曲構成写真:[カ]部分)
  2. 1.を発展させ4小節分弾く
    (同写真:1段目のみ。発展種類は[繰り返し])
  3. 1.を発展させ移動先で弾く
    (同写真:2、3段目。発展種類は[ずれる])
  4. 1.を発展させエンディングを弾く
    (同写真:4段目。発展種類は[ずれる])




今回は、まずは1.2.だけを行い、
翌週に3.4.を行いました。

2回ともレッスンの最後にチョロっと行ったので、
合わせて10分くらいの譜読み指導です。


また、音符に頼れないので、
忘れても思い出す手がかりが必要です。

そのために、
・歌詞をつける
・歌詞に合わせて身体を動かす
など忘れにくい工夫をしました。

特に左手はカンガルーのジャンプに見立てて
実際にジャンプをしたので、
とても楽しそう。


合計で10分程度の指導ですが、
2週に分けたのは、
これでも生徒ちゃんにとっては情報量が多いからです。


というのも、
・パターンの難易度
・パターンの数
・パターンの発展数などが増える

となると、
覚えるのが大変。

なので今回の生徒ちゃんは、
2週に分けて指導しました。

仮に練習不足で忘れてしまっても、
歌ったり身体を動かしたことは覚えているので、
すっかり忘れることはありません。

また記憶が曖昧になった状態から覚え直すと
記憶は定着するので練習不足でも大丈夫です。



こうして、
2週に渡ったレッスン最後の5分程度で譜読みは完了。

あとは、アレンジや即興を加えるなどをして
生徒ちゃんらしさを表現する練習です。
これがまた楽しい!


譜読みは大事なことですが、
なるべくなら短い期間で終わらせ、

音楽の本質である「どう表現するか?」の音楽作りに
重点を置きたいところです。


そのためには
・音符を読みながらグループ化(パターン化)する
→効率の良い譜読み

・耳や歌との連携を作る
→忘れにくい譜読み
がオススメ。


このように譜読みは、

音符を通じて
「どのメロディーがグループ化(パターン化)できるか?」
を考えながら行うと、

かなり効率の良い譜読みができます。


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