「J POP弾きたい!」
「Youtubeの曲が弾きたい!」
と生徒さんが言ったとき、どうしますか?
もちろん、
「好きな曲を弾かせてあげたい」気持ちはあるけど、
こうした流行りの曲は難しいもの。
昔の私なら
「だったら、早くソナチネ終わらせてよ・・・」
なんて思っていました。
でも、生徒さんからすれば
好きな曲を弾くためにピアノを習っているのがほとんど。
お母さんも
好きな曲を楽しいそうに弾いている姿を描き
通ってくれていると思います。
その好きな曲を弾くのが
いつになるのか想像できないと
モチベーションも下がってきますね。
そこで私がよくやるのが、
①生徒の習得概念で弾けそうな曲を探す
②習得概念で足りない部分は、対策も考えて提案
をしています。
概念についての説明はこちら
レッスンでは概念(音楽ルール)を教える
習得概念と使用概念のマッチング(橋渡し)をレッスンする
例えば今回は、
ピアノアドヴェンチャーブックCを弾いている生徒さんに
「believe」のメロディーを弾いてもらいました。
believe、小学生にとっては根強い人気です。
アレンジが易しい楽譜を見つけたのでので
ダウンロードして弾けそうな生徒に弾かせてみました。
弾くための条件は、
この曲を歌えること。
(この曲はだいたいみんな歌える)
ちなみにピアノアドヴェンチャー ブックCレベルだと、
生徒側の習得概念は
・指番号
・2度
・3度
・パターン – シークエンス
「パターン – シークエンス」とは、
短いメロディーパターン(モチーフ)をズラして弾く手法。
一方、アレンジ楽譜での使用概念は、
先の概念に加え
・4度=2回
・6度=4回(同じメロディーなので実質2回)
・指変え=2回
・#(シャープ)=1回
・8分音符、付点4分音符、16分音符
(ブックCレベルでは難しいリズムが多い)
など。
ではこの未習得概念をどう攻略するか?は
・4度 → 指番号を書く
(音程読みではなく、指番号を見て弾く)
・6度 → 歌詞や音程感覚と連携させる
(歌詞→跳躍音程感覚→6度ポジションの仕組みを作る)
・指くぐり → 音程と指番号の両方認識することを練習
・#(シャープ)→ 歌詞や音程感覚と連携させる
(歌詞→ニュアンスが変わった感じ→ポジションの仕組みを作る)
・8分音符、付点4分音符、16分音符 → 耳コピ
などです。
図にするとこんな感じ
(わかるかな。。。?)
正しく弾くのを目的としない場合、
知っている曲は、
リズムを細かく読むよりも
聴いた感じで弾いた方が弾きやすいです。
なので今回の場合、
丁寧な指導が必要なのは「指くぐり」。
となります。
これも2回しかないし、
ポジション移動も音程読みと指番号の連携をしながら弾くので
うちの生徒の場合、
ほとんどの生徒が5分足らずで
最後まで大体弾ける。
あとは
お家で楽しみながら弾く。
といった感じです。
計画や手順を考えると無駄な課題が減る
このように指導者は
・生徒さんの習得概念を把握する
・弾きたい曲の概念を把握する
・足りない概念はどのように攻略するか?
を考えてレッスンすると
高確率で上手く行きます。
よくあるのが、
①弾けないところを見つける。
②根本的な原因を探らず場当たり的な応急処置をする
というもの。
昔の私がそうでした。
だから、
その曲は弾けても次に繋がらず
難しくなるほど譜読みが苦しくなる・・・
そこに目を向けず
生徒のモチベーションを上げ
練習量で何とかしようとしていました。
生徒のモチベーションって
「好きな曲だから弾く」もありますが、
いくら好きな曲でも「弾けそうか?」が分からないと、
「どうせ弾けない・・・」となるケースもあります。
なので指導者は、
生徒さんのやる気に乗っかるだけではなく、
「弾けそう!」と思わせる必要もあると思います。
ピアノアドヴェンチャーを使って
・何を教えるのか?
・どの順番で教えるのか?
・どう教えるのか?の方法
ご紹介しています。