ピアノの醍醐味は和音だと思う。
複数の音を同時に鳴らせるのは
ピアノだけ。
でも恥ずかしながら
私が和音を味わえたのは
高校の時だ。
聴音はやってたので
ソルフェージュ的に
「何の音がなってるか?」は
聴いてる。
でも味わってなかった。
「味わう」ってどういうこと?
「和音を味わう」って、
どんな感じか?と言うと
ジャーン!と
鳴った瞬間:
絡み合った音や振動
伸ばしてる時:
部屋の反響音
を聴く感覚。
食べ物で言うと
甘味、塩味、旨みを
舌で感じながら食べる感覚。
この味覚を感じて食べないと
「あ〜お腹いっぱい!」なだけ。
「味わった」とは言えない。
練習も同じ。
意識してないと
メロディーしか聴こえない。
なのでそれ以来は
意識して聴くようにしてる。
1つ1つ
耳で確認する感じ。
例えばこれは
ブルグミュラー25の1番。
この場合
左手和音を鳴らした瞬間:
ズシーンという重み
伸ばされてる間(赤丸):
部屋で鳴ってる反響音
をそれぞれ感じる。
それを味わいながら
右手のメロディーを弾くと
立体的な演奏になるし
左右の手で音楽を作ってる
感じがする。
取ってつけたような
左手にはならない。
すると完成度は低くても
「イイな!」と
プチ感動しながら弾くので
弾いてて楽しい。
ソルフェージュ能力とは違う
ちなみにこの「味わう」は
ソルフェージュ能力とは別。
まだまだ経験の浅い生徒さんでも
味わえる。
実際うちの小1生徒さんも
「わー、ピアノの下から何か来る!!」
と何かのエネルギーを感じた発言があった。
逆に高校時の私のように
「弾ける=聴いてる」
とはならないし
「聴ける=味わう」
ともならない経験があるので
生徒さんには
「聴いてるか?」
「味わってるか?」
をチェックをしてる。
ぜひ和音を味わって欲しい。
世界が変わると思う。