やる気を出させるには、超具体的に教える

生徒
生徒

次の曲も弾いてみたよ!

生徒
生徒

他の曲も弾いてるよ!

うちの生徒たちは、
宿題以外の曲も弾いてる生徒さんが多いです。
(全員ではありませんが
約8割くらいの生徒さんがそんな感じ)

発表会では、
普段好きで弾いてる曲を
ほとんど私の指導なしで弾いたり、

また、好きな曲は
「こういう風に弾いてみた!」と
自分なりの表現をする生徒さんも。


このように「やってみよう!」と
前向きになってくれるのは嬉しいですね。

でもこれは、偶然そうなったのではなく、
科学的根拠をもとに
超具体的に指導したからです。

どうしてやる気は失われるのか?

これまでの私は
生徒がやる気になる
 ↓
たくさん練習する
 ↓
弾けるようになると考えていました。


なので

先生
先生

ご褒美があればやる気になる?

先生
先生

好きな曲、楽しい曲ならやる気になる?

先生
先生

イベントやコンクールに出ればやる気になる?


など、ピアノの学び以外のことで
興味を持たせていました。

もちろん、これは一定の効果はあるけど、

・ご褒美が目的になる
(ピアノが楽しいから。ではなくご褒美をもらうために練習する。になる)
・コンクールで人と比べられることで自信を失う

などデメリットもあります。
(もちろん、こうしたデメリットへの対策をした取り組みなら、とても良いと思います)

でもそもそも逆に

先生
先生

あの入会当初のやる気は、
どうして失われるのか?

と考えると

・何をどう練習すればよいか? が分からない
・そもそも理解できてない

など

「分からない」が主なきっかけになってます。

その後、
コーチング・教育心理学・行動心理学などを学びましたが、

やはりやる気を失うきっかけは、
「どうすればよいか分からない」
が多いようです。

そこで
・楽譜の読み方
・音の鳴らし方
・音の聴き方 などを
超具体的に指導してきました。

超具体的な指導ってなに?

例えば、
練習しようとしない生徒さんの一例だと

生徒
生徒

最初の手の置き方が分からない・・・

があります。

昔の私は、

先生
先生

手の置き方なんて、最初の音読めばわかるでしょ!

と考えてましたが、

先生
先生

「最初の手の置き方」がわかるには何が必要か?


と考えると、

①最初の音を探す
②何の音か?を読む
③どこの鍵盤か?を探す
④何番の指で弾くのか?を見る
⑤置く
⑥反対の手も考える

が必要。

それでも、こんなお困りケースがあります。

①曲の冒頭のある最初の音は分かるけど、
 遅れてスタートする反対の手の最初の音を見つけられない


②そもそも音符が読めてない


②読めてたけど忘れた


②カードでの音符は分かるけど、楽譜だと分からなくなる


②ト音記号(上の段)=右手 が分かってない


③音符と鍵盤の関係性が分かってない
(へ音記号なのに、ト音記号に置いてる)


③真ん中のドがお家と違う


④左手の指番号を間違えて覚えている


①〜④をもたもた考えているうちに①が分からなくなる

などなど笑


一言「最初の音読んで置いて」の中には
これだけの知識が含まれてるんですね。

それだけ「楽譜」というものが
とてもよくできたシステムということです。

これを習いたての小さなお子さんが
自力で行うには少々難しい気がします。

練習しようにも
何をどうしたら良いか?が分からないので

いくらやる気があっても、
曲を弾くスタートラインにも立てないのです。

なので私は、
お困りケースがほとんど解消されたら
これらを付箋に書き、
生徒の楽譜に貼ってます。

これで少し、何をやればよいか?は分かります。


私たち大人も似たような経験がありませんか?

オススメのアプリを聞いて

先生
先生

使いたい!

と思っても、

インストール方法が分からずに
結局使えていないとか・・

でも

①スマホに搭載されている(App Store・Play ストア)をタップする。

②検索窓をタップ。

③検索窓にアプリ名を入力する

④虫眼鏡マークをタップする ・・・


など細かく示されていると
できる感じがしませんか?


なので、
生徒のやる気を上げるよりも、
つまづきを減らすべく

「超具体的に教える」を実践しています。

ちなみにこうした「超具体的に教える」手法は
様々な分野でも活用されています。

というのも、
教育心理学でも、行動心理学でも、教育工学でも、
私が学んだコーチング(やる気を持たせ行動を促すコミュケーション技術)ですら、

細かくステップを踏んで教えます。

よくできた社内マニュアルも
細かく手順が示されているので、

それを見れば誰でもできるように
設計されています。

学校教育も同じ。
算数の面積を学ぶ時でも、

・面積とは?
・どうしてその公式が成り立つのか?
・実際の計算方法
・慣れるまで練習
・文章問題を読んで式が立てられるか?
・自分で問題を作れるか?

とまぁ、素人が思いつくだけでも
これだけ工程があります。

それがピアノ指導となると
「音符読めるよね?
あとは練習してね!」は、

なんて雑なこと…笑

でも1度できると
他の曲でも試す生徒がチラホラ出てきます。

アプリも「じゃあ、他のアプリないかな?」
と他のアプリを検索し
インストールする感覚ですね。


そしてこうした基本操作を何度か行ってみると
教わらなくても、
マニュアルがなくても、
できるようになります。

こうして、
生徒の主体性が芽を出し始めます。

応用方法も教える

とはいえこの

先生
先生

他のアプリでもやってみよう

生徒
生徒

他の曲でもやってみよう!

は、
学んだ基本操作・基本知識を「応用する」ということですが、
この「応用方法」も案外わからないもの。

実際、
大人の生徒さん(結構な高学歴)でも気づかないです。
(やはり、私たちはこの応用も無意識のうちに行っている。と分かります。)

となると、
小さなお子さんが自力で応用するのは、
あまり期待できません。

なので、そこも教える必要があります。
はい…手間がかかりますね…

でも、その小さなつまづきを解決するのが
指導者の仕事だと思いますし、

「習ったことを使って他の曲を弾く」
という応用方法を知らないと、

毎回覚えることが増えて、大変なのです。

アプリで言うと
今回はApp storeからインストールしたけど 、
今度はApp Box(仮名)で、
次はApp Jungle(仮名)らしい…

毎回インストール元が変わり、
その都度インストール方法が違うと
嫌になりませんか?

このように、応用しないと
覚えることが増えるのです。
(ちなみに勉強でつまづく方は、
この応用力が未熟なことが多いです)



なので、めちゃくちゃ大変なのですが
「応用方法」も教えます。

でも「習ったことを使って他の曲を弾く」ができると、
1人でできるので、

長い目で見れば
生徒さんも先生もとても楽。


ちなみに「手の置き方」の
応用方法の教え方はこんな感じ。

①基本手順を書き
横で先生が読みながら指示する 。

②何曲か行う。
この時に「このルールを他の曲でもやってみよう!」
理解力があれば「これを『応用する』って言うんだよ」も伝える

③「次は何するって?」
と生徒さんに読んでもらい行う。

④「先生横で見てるから1人でやってみて」
とメモを見ながらだけど、1人で行う。

⑤メモがなくてもできる

というように
基本知識を使えたあとは
少しずつ先生のサポートを減らして行きます。
(教育用語だと「足場かけ」を減らす)

すると生徒さんは

生徒
生徒

「1人でできた!

と大喜びします。

たかだか「手の置き方」ですよ。

でもその生徒さんにとっては
とても難しい迷路に感じたのでしょう。

その迷路を抜けた後の表情は
自信に溢れています。

ここで生徒さんは 「きちんとやればできる!」
を経験することになり、
やる気が生まれます。

実際、ピアノアドヴェンチャーの場合は
これがやりやすいのです。
なぜならば、超スモールステップだから。

これが次の曲が難しいと、
「弾いてみよう!」とはならないのです。

やる気期待せ、超具体的に教える

なので、ピアノアドヴェンチャーの
・楽しい曲
・細かいカリキュラム
を利用して超具体的に教えると

ほとんどの生徒さんが

生徒
生徒

次の曲も弾いてみた!

生徒
生徒

他の曲も弾いてる!

になってきます。

なので指導者は、
やる気を出させる前に
きちんと教えた方が早いと思うのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です