うちは、小さなお子さんには練習を強制してない。
理由は、
小さなお子さんが1人で練習するって
難しいと思うから。
よくあるのが、
ママに練習をサポートしてもらうパターン。
1、時間になったら、声をかける
2、弾かせる
3、弾けないところは教える
この場合
メリット:
・練習習慣がつきやすい。
(うまく行けば…)
・それなりに弾けるようになる
(うまく行けば…)
デメリット:
・ママが時間管理。
・素直に練習しない → ケンカ!
・弾けない… → 子供がイライラ!
・音楽知識がないと教えられない。
・ママの言い方に問題がある → ケンカ!
疲れてる時は仕方ない…
・弾けたとしても、本質的な指導は難しい。
※本来は「なぜその音符が使われてるのか?」「なぜ弾けないか?」「どうすれば弾けるか?」の専門知識が必要。
とまぁ、デメリットが多い…
そして一番のデメリットは、
「練習=つまらない」を覚えること。
「練習=お母さんとケンカする時間」になること。
弾けたとしても、
これは生徒にとって幸せだろうか?
と思うと、練習は強制してない
どうして練習を嫌がるのか?
そもそもどうして練習を嫌がるのか?
と考えると
1、弾けてるか?弾けてないか?が分からない
2、弾けない時の練習方法が分からない
が大きい。
弾けてる?弾けてない?
の、1、弾けてるか?弾けてないのか?が分からない。
そもそも初心者は
子供大人関係なく
「できてるか?」が分からないもの。
目に見えるものなら
まだ分かりやすいけど、
音楽のように
・音の間違い
・リズムの崩れ
・拍感の乱れ
など見えないものは
大人でも
できてるつもりになることが多い。
そして、
「できてない」が分かったとしても
どうしたら弾けるの?
と、2、弾けない時の練習方法が分からない。
多くの場合、
「たくさん練習すれば弾ける」
と考える。
でも現実は
「間違えながら弾く」を
たくさん練習するので
間違えるための練習を
してることになる。
これを修正するのは
コツがいるし、結構たいへん!
なので
練習しない方が
早く弾けたりする。
そもそも「どうやった弾けるか?」を考えない。
ことも多い。
というのも、練習方法を教えてても
・いつもどうしてたっけ?
・レッスンではどうしてたっけ?
・先生は何て言ってたっけ?
など、
弾けない → 問いの思考
をしない人が一定数いる。
これではいくら練習方法を教えても
「練習してるけど、弾けない…」となる。
なので指導者は
練習方法も教えるが
「弾けない…」となった時に
「どうやったら弾けるか?」を
考えさせる習慣を養うのも必要だと思う。
なので1人でピアノ練習するには、
1、弾けてるか?弾けてないか?が自分で分かる。
2、弾けない時、どうしたら弾けるか?が分かる。
これが必要。
1、弾けてるか?弾けてないか?はどうしたら分かるのか
1、弾けてるか?弾けてないか?が分かるには、
1a:本来の演奏が分かる。
1b:今の自分はどうなってるか?が分かる。
が必要。
この差を埋めるのが練習なので
どこが違うのか?が分かってないと、
そもそも練習にならない。
1a:本来の演奏は、
楽譜から曲をイメージできる読譜スキルが必要。
1b:今の自分は、
弾きながら自分の演奏を客観的に聴くスキルが必要。
特に1b:客観的に聴くのは案外難しく、
大人でも動画で確認して
やっと違いに気づくことが多い。
なのでレッスンでは
このスキルを養うために指導する。
ちなみに自分を客観視できるのは、
一般に小3頃とされてる。
(個人差がかなりあるように思うけど)
2、どう練習すれば弾けるか?が分かるか?
そして、できない所が分かったら、
2、どう練習すれば弾けるか?
の方法を知ってる必要がある。
例えば、
2a:リズムや拍子を意識しながら弾く
2b:メトロノームを使って確認する
2c:音名で歌いながら弾く
2d:ゆっくり弾く
など
でもこれも口で言うのは簡単だけど
やってみると難しい場合もある。
2b:メトロノームを使って確認する
については前準備が必要だったりするし、
2c:音名で歌いながら弾くは、
その生徒さんは音名が読めているか?
2d:ゆっくり弾くも、
その生徒さんはゆっくり弾くことができるのか?
など、
その練習自体ができるのか?問題がある。
じゃあ、どうする?
というわけで、
小さなお子さんが1人で練習するって
難しいと思う。
そこで私がやるのは
1、練習しない
2、好きな曲を歌ったり、踊る
3、外で遊ぶ
4、弾けた曲を弾く
5、弾けた曲をママパパに教える
2、好きな曲を歌ったり、踊る
結局、これはレッスンでもするから。
このスキルが高いと、その分他のスキルを上げられる。
よくスケールなどを基礎練習って言うけど
私からしたら
音楽やリズムを感じてない基礎練習は
面白くないし、役に立たない。
3、外で遊ぶ
意外に思うだろうけど、
弾けない人のほとんどは鈍い。
弾けないのは、
音符が読めない…というよりも
読んでから弾くまでの反射が遅いことが多いから。
サッカーで言うと
・ボールの動きを読み
・そのためには自分はどう動くのか?
を絶えず考えるように、
ピアノも
・音符を見る
・音を想像する
・次の動きを読む
・指動かす
これの連続。
アタマは、
ゆっくりなんて全然してない。
4、弾けた曲を弾く
正直、弾けた曲を弾くのも、
いくら楽しい曲でも何回も弾くと飽きる。
なのでレッスンでは遊び方(変奏方法)を教えて、
変化させる余地があるようにすると、
とても良い練習になる。
その指導を行いやすいのが
ピアノアドヴェンチャー。
5、弾けた曲をママパパに教える
教育心理学で有名な学習の定着率が高いのは
「人に教える」。
これもピアノアドヴェンチャーでよく使われる手法。
なので人に教えることで
理解が深まるし、忘れにくい。
なのでコミュニケーション兼ねて
ママパパに教えるのもオススメ。
でも、進み遅くならない?
練習してないので
たしかに進みは遅いかもしれない…
少々ケンカしながらでも
親御さんに協力してもらった方がいいかもしれない…
でもママのサポートがあって
ケンカになるならサポートはやめた方がいい。
そして仮に最初の数年練習しなかったとしても、
・ソルフェージュ
・リトミック
・テクニック
・初見、変奏、即興
など
レッスンでしかできないことを積み重ねると
初見力がついて弾けるのも早いし
なにより「練習が楽しい!」と思える。
この「練習って楽しい!」「練習すれば弾ける!」
の気持ちを育てるほうが
「弾けた!」という達成感よりも大事だと思う。
すると次第に
「練習して!」なんて言わなくても練習するし、
数年の練習不足は、数年すれば追いつく。
(そのため指導者はレッスンカリキュラムをかなり工夫する必要がある…
ま、それが本来の仕事だけど)
弾けたのを楽しむのはもちろん
ぜひ練習も楽しめるようになって欲しい。