ブルグミュラー 「アラベスク」は、
ピアノ学習者にとって有名な曲ですが、
よくあるつまずきがこれ。
【譜読み=音符から音楽ルールを読む】
ですが、
よくありがちなのは
音符から「音名」と「音の長さ」だけを読んでいるケース。
これでは譜読みの限界は早く、
記憶力や根性との戦いになります。
それに対しスラスラな譜読みは、
音符を通じて根本的な音楽ルールを読み取ります。
今回の「アラベスク」のこの部分に使われている
音楽ルールは、
・平行6度(6度音程で同じ方向へ進む)
・反行
・イ短調音階
・半音階
・123指だけで弾く平行の動き
・めちゃくちゃ暗い響き(減5度)
・明るい響き(長3度)
などです。
これらを解説した動画はこちらです。
そしてもっと大事なのが、
これらの指の動きのリーダーとなる「音」。
メロディーや響きのことです。
いくら音符を読むのが早くても…
いくら理論が分かっても…
脳内でメロディーや響きが
先行して鳴っていないと指はついて来ないです。
特にここの左手が反対方向へ進む時。
ここにつまずく方の多くは、
・「レ#だ」と音名だけ。
・「(レ#とも考えず)この鍵盤だ!」と鍵盤の場所だけ。
など、
見えている情報だけを頼りに弾くことが多いようです。
これは、かなり記憶力を使うので
弾けるまでも大変だし、弾かないと忘れる。
という悪循環。
・なかなか覚えられない…
・たくさん練習したのに弾けない
・昨日弾けるようになったのに弾けなくなってる…
という方をたくさん見かけます。
でもスラスラ弾ける人は、
これを弾く直前の段階で
・次の半音階のメロディー
・めちゃくちゃ暗い響きが鳴っています。
なので、
・どんな音楽ルールがあるのか?
・この時の響きはどうなってるか?
・この時の指の動きはどうなってるか?
の連携を作るのが大事。
それを可能にするために
曲を通じて様々な音楽概念を身につける指導をしています。