小5くん。
大きな音を鳴らそうとしてますが、
どうも音が硬い・・・
理由は、押してるからです。
「大きな音=強く押す」
と思ってるんですよね。
その結果、一瞬は大きな音が鳴るのですが、
実はその弾き方は響かないので、
イマイチ映えないのです。
響かない理由は音の減少が早いから。
そこで
・〈響く音/響かない音〉の違いの聴き比べ
・どんなテクニックを使うのか?の実践
を行ってみました。
響く音ってどんな音?
まず〈響く音/響かない音〉の違いを
実際に音を鳴らしながら説明。

フォルテ(大きな音)を鳴らす時、
〈響かない音(写真の黒い線)〉
・打鍵直後の音量:大きい
・減衰度合い:すぐに減衰
・音色:「カツン!」と硬い感じ
〈響く音(同青線)〉
・打鍵直後の音量:響かない音に比べて小さい
・減衰度合い:ゆるやか
・音色:「ボワーン」とマイルド
響く音は、音が鳴ってる時間(残響)が長いので、
部屋の壁に当たって反響し合います。
すると部屋中で鳴ってる感じになります。
この音がホールでは客席に届く音になります。(写真下部)

また生ピアノの特性の倍音(弦同士が共鳴しあう現象)のためか、
特に和音の時は「厚み」があるようにも感じますね。
この「厚み」があると
曲によっては迫力も演出できます。
生徒くんも
「たしかに音が違う…」と納得したようです。
(聞き分けられる耳を持っててよかった笑)
どうしたら響く音になるの?
ではどうしたら響く音が鳴らせるのでしょうか?
それは腕などをしならせて打鍵をします。
(ピアノアドヴェンチャーの言葉だと「腕の重み」)

なぜ腕をしならせると響く音になるのか?
それはピアノの仕組みに関係します。
ピアノの仕組み
ピアノはご存知のとおり、弦にハンマーが当たり音が鳴ります。

1、鍵盤を下げる
↓
2、下げたエネルギーがアクションを通る
↓
3、ハンマーが動く
↓
4、音が鳴る
弾く時、腕をしならせる打鍵であれば、
1、ハンマーにくっついている棒(シャンク)がしなる
↓
2、弦の1番響く場所に当たる(弦の中央)
↓
3、響く音が鳴る
になります。

でも、ただ押してる打鍵だと、
1、シャンクはしならない
↓
2、ハンマーは響く場所から少しズレた場所に当たる
↓
3、響かない音(硬い音)が鳴る
他の弦は共鳴しない
になります。
貧弱な音なので、弾いてても映えない・・・

なので、[腕の重み]を利用して(しならせて反動を使って)打鍵すると、
響く音になります。
[腕の重み]の誤解
ちなみに「腕の重み」の言葉を聞くと、
「重い」のイメージにとらわれて
押し付けるケースがありますが、違います。
「重み」は重い打鍵もありますが、軽い打鍵もあります。
力を使わなくても音を鳴らすために
重みを「利用」するので、
ずっと押し付けてるわけではありません。
重さが指先にかかる時間は一瞬です。
打鍵後は何をしても音は変わらないので、
すぐに「次の音の準備」に取り掛かるべく、
リラックスをしておきます。

この打鍵直後のリラックスが難しいですが、
そもそも「しなり(反動)」をつかっておれば、
つねにリラックス状態なので、楽なのです。
どんなに大きな音、速いメロディーでも
腕が疲れることはありません。
(上半身は疲れます。痛みはありませんが)
ましてや痛みが出ることもありません。
というわけで生徒くんも
ふだん使ってる[腕の重み]を使って弾いてみました。
響きの良い音に包まれるのは心地いいですよね。
せっかくの練習。
ぜひ響く音を堪能して欲しいと思います。
ピアノ指導の教科書

