はじめてのピアノアドヴェンチャー
レッスンブックA「ぶたのドナルドおじさん」。
ノリが良く、とても人気の曲です。
![](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_20220907_201744-1024x768.jpg)
ここでは前ページで学んだ全音符を使って弾けるか?を試します。
なので私のレッスンでは、
次のことを復習しながらレッスンしてます。
- 目標1:全音符を探せて、4拍伸ばせる
- 目標2:4分音符・2分音符がほぼ初見で鳴らせる
- 目標3:左右の手がほぼ初見で正しく弾けるか
- 目標4:「鍵盤図を見て指を置く」のルールが分かり、置ける
すると、レッスン内でほぼ初見で弾くことになり、
楽しい曲が弾けたら、おうちでも弾きたくなります。
ちなみに、指番号については、この時点で
全生徒さん「手元を見ないで指定指で弾く」
はできるので、わざわざ確認はしません。
そして今日の4歳ちゃん。
まずはいつも通り
①音階を歌い
②リトミック活動の後、
③概念の確認です。
概念は、
この曲を弾くための必要概念が身についてるか?の確認で、
今回は
・電車作り(音価やリズムの確認のため)
・音源に合わせて歌を歌う
・音符を弾く指で差す(音符追跡のため)
などなど。
だいたい良さそうなので、
「んじゃ、弾いてみようか?」と言った途端、
「え〜っと…」と自分で鍵盤に手を置いてました。
![私](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/Screenshot_20220908_083653.jpg)
え〜、どうしてそこに置くって分かったの???
![生徒](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/Screenshot_20220908_085751.jpg)
え?だってここ(鍵盤図)に書いてるもん!
鍵盤図とは、
下の写真のように手を置く場所を示したもの。
![](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/スクリーンショット-2022-09-09-8.22.51.png)
この「言われてから置く」ではなく、
「自力で置けるか?」が大事ですよね。
そのためには、
・どこに置き方が書かれているか
・この鍵盤図を見て意味がわかるか?
が分かってないと置けません。
そして、自力でできたことに価値を感じて欲しいので
![私](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/Screenshot_20220908_083602.jpg)
よく分かったね〜。
『先生が教えてあげよう!』と思ったけど、
教えなくても分かったんだね。すご〜い!!
などと褒めます。
やはり「1人でできた」は嬉しいですよね。
そんなこんなでゆっくりですが、
初見で弾いてました。
しかも生徒ちゃん、
ちゃんとここに「p」と書かれているのも読み取り、
小さな音で弾いてます。
![](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_20220909_084527-1024x768.jpg)
とはいえ、おそらく
「pって書いてるからpで弾かなきゃ!」
と思って弾いているだけ。
(たいていそうですが…)
こうした小さな気づきから音楽表現につなげたいので
すかさず
![私](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/Screenshot_20220908_083602.jpg)
生徒ちゃん!
ここ(p)、なんかヒヨコさんが歌ってるみたいだったよ!
こうして何気なく鳴らした p をきっかけに
生徒ちゃん得意な想像の世界につなげます。
昔の私だったら
「きちんとpで弾けたね。」で終わってたと思うのですが、
これって正しい譜読みはできても、
音楽表現ではないですよね。
「p は、どんな p なのか?なぜ p なのか?」
を想像して弾くことが表現です。
すると「 p って書いてるから p 」ではなく、
「ヒヨコが歌うから p 」と、イメージが先行するのです。
いや、もう「 p 」という存在すらなく
「ヒヨコが歌ってる音」なのです。
そしてそこから生徒ちゃんのお話が炸裂!!
![生徒](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/Screenshot_20220908_085751.jpg)
んじゃ、ここは誰が歌ってるのかな?
f だもんね…
お、早速 f にも意識が行ってますね。
そして f で音を鳴らし、
その音に似合うものを想像しています。
![生徒](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/Screenshot_20220908_085751.jpg)
牛さんかも!『モーモー』にしよっと!
なんと!歌詞まで変えてます。
そして「モ〜、モ〜」と牛の真似をしながら教室内を動き、
お一人リトミック笑
そして鍵盤に戻り、
![生徒](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/Screenshot_20220908_085751.jpg)
どこで弾こうかな…?
今度は牛に似合う音域を探し、
弾く音域まで変えました。
![生徒](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/Screenshot_20220908_085751.jpg)
ここは犬がいいな…、ワンワンだね
![生徒](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/Screenshot_20220908_085751.jpg)
最初はウサギにする!
ピョンピョン!って跳ねる感じだね
もうアーティキュレーションも変えてる笑
こうして思いつくたびに
動物の真似をして教室一周
→音や音域確認
→替え歌で歌いながら弾く
→何ならアーティキュレーションも変える…
の繰り返し。
もう忙しい笑
その間私は
![私](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/Screenshot_20220908_083602.jpg)
面白いね!
生徒ちゃんにはそんな風に聴こえるんだ?!
だけ笑
あの「ヒヨコみたい!」と言ったあとは、
指導らしい指導はしてないです。
ただ遊びに付き合っただけ。
でも生徒ちゃんの中には
・イメージ
・音
・テクニック
の連携がどんどん出来上がっています。
実はこの4歳ちゃん。
「出来なさそう…」と思ったら
レッスンも拒否するほどの負けず嫌い。
しかも面白くないことはやらない。
(当たり前よね…)
でも、
・「できない」を発見するのはすごいこと
・「できない」にチャレンジするのはすごいこと
など新しい価値観を上書きしていくと
こんなにも意欲的になれるのか…を
教えてくれた生徒ちゃんです。