音列って地味だけど、意外に重要

よくあるこの音階。

(はじめてのピアノアドベンチャー レッスンブックAより)

私が若い時は、

「音の配列(音列)が分かればいいかな?」
「ドレミファソなんてすぐに分かるよね?」

と単純に思っていましたが

コード(和音)を学ぶ段階で
3度の音列がスラスラ言えない
生徒がいました。

もちろん
時間をかければ言えるけど
「ソ・・・シ・・・・・レ?」
といった具合。

それでは
分析にも時間がかかります。

簡単なコードだったら
弾きながら分析をしたいのに
それができません。

困るのは分析だけではありません。

(バイエルより)
↑こんな3度の動きや


(ブルグミュラー25の練習曲より)
↑こうしたアルペジオの動きが出て来た時

音感があると
「ソシレ♪  ソシレ♪  ソレシ♪  ソレシ♪」
など

「ソから3度で上がってる」
と認識した瞬時に
音名とともにメロディーが流れるのです。

もはや音符を細かく読んでいません

ところが
3度という認識はあっても
音列が出てこないと

1、まず音を全部読む
2、それを覚える
3、指が覚えるまで何度も弾く

といったところでしょうか。

しかも残念なのが
何度も弾いているにも関わらず

脳内で鳴っているのは
「ららら〜・・・」とハミングだったり

「ソ・シ・レ・・」などと
言っているだけで

音程感覚を伴ったメロディーが
鳴っていない可能性もあります。

それでも弾けているのは
指の運動感覚を頼り
弾いていることになります。

それのどこが問題か?というと
・ミスが多い
・譜読みに時間がかかる
・速いテンポで弾けない
・メロディーがないので楽しくない
・間違っていても気づかない

などなど。

もはや「楽譜の情報を読む」
という譜読みではなく

訳の分からない暗号を
ひたすら覚える作業となり

練習量の割に
譜読みの力にはなりません。

何より生徒さんに
「大きな負担がかかる」
ということです。

もちろん
ノーミスを目指すだけが
譜読みではないけど

表現に余裕を持つためにも
・正確な譜読み
・安定した譜読みは
行いたいものです。

そこで重要な譜読みスキルの1つが
音感を伴った音列

音列とは「音の順番」です。

「ドレミファソラシド」は言えても

「レミファソラシドレ」など
違う音からのスタートだと
案外言えないものです。

他にも

・上から
「レドシラソファミレ・・・」とか。

・飛ばして
「レファラドミ・・・」とか。

仮に歌えても
「ドレミ・・・」と上がってるのに
歌は下がっているとか。

全然、音列と音感が結びついていません。

音楽には様々な音程が使われていますが、

難しい曲でも
半分以上を占めているのが
この2度と3度の音列です。

「2度って、隣の音でしょ?
簡単じゃない?」
って思いませんか?

私もそう思っていました。

でもピアノ初心者にとっては
そんな簡単ではありません。

例えば、

私たちが五十音を
「あいうえお、かきくけこ、さしすせそ・・・」
というのを

「おいうえあ、こけくきか、そせすしさ・・・」
と反対から言ったり、

「あうお、かくこ、さすそ・・・」
と飛ばして
スラスラ言えないのと同じです。
(入力するだけでも難しい・・・笑)

冒頭のコードが言えない生徒が
なぜできなかったのか?と考えると
3度音列が内在化していないからでした。

仮に理解はしていても
スラスラ言える「できるレベル」
ではありません。

もちろん
メロディーとしても歌えませんし、

そもそも2度音列も
たどたどしい・・・

当然譜読みもうまく行きません。

となると
理論が出てくる前に

メロディーとして
インプットしておく
便利なのでは?

と思い、

それ以降は導入時期から
音列を歌うようにしています。

その音列を歌うレッスンの様子を
動画にしましたので
参考にどうぞ!

ちなみにピアノアドベンチャーなどの
アメリカ教材は「相対音感」なので

音程を聴きとる課題はあっても
「絶対音を聴きましょう。」
という課題はありません。

【動画の生徒情報】

年長、かなりの視覚優位。

視覚優位:
目に見える情報を処理するのが得意。
見えていない情報を想像するのが苦手。

なので入会当初より
「音を聴く」ことを意識したレッスンを行う。

行ったのは
・ハンガリーのハンドサインを使って音階を歌う
・様々な音列を模倣して歌う
・連弾を行うことで終止感を感じる
など

この時期は
音階を正しいピッチで歌うのは
ほとんどできている。

また、
・ドレミレド
・レミファミレ
などの2度の上がり下がりは
模倣で歌っていたので

今回の動画の音列は
感覚的には捉えている。

全くの初めてではない。

【使用教材】
はじめてのピアノアドベンチャーブックA

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