さあ、ぼうけんにいこう!(レッスンブックA p9)〜とにかく拍感

身につけたい音楽ルール : 拍感

「さあ、ぼうけんにいこう!」
(はじめてのピアノアドヴェンチャー
レッスンブックA  p9)は、
拍感を養うための曲です。

 

拍感とは?

拍感とは、
同じ速さで演奏する力のこと。

・等速感(とうそくかん)
・ビート感
・テンポ感

とも呼ばれます。

ピアノアドベンチャーのテキストには、
「拍をそろえてね」という説明が随所に出てきます。

なぜならば、この拍感は、
今後学ぶ4分音符や2分音符など
音価を学ぶ土台


いくら
4分音符=1拍
2分音符=2拍
と覚えても

根底にあるテンポや
脈拍の流れがないと崩れやすくなります。

また、
そもそも拍感・ビート感がないと
楽しくないですね。

例えば専門的に音楽を学んでいなくても
ノリの良い音楽を聴くと
自然に体を動かしたくなりませんか?

みんなと一緒に歌ったり、踊ったりして
一体感を感じた時は
高揚感に包まれませんか?

それは、この拍感・ビート感から生じる
エネルギー(躍動)を感じるからです。

ちなみにピアノアドベンチャーの指導書には
pulse(パルス)という言葉が使われています。

pulseを日本語に訳すと、
脈拍、鼓動、(光線・音響などの)波動、振動、律動、拍、
(生気・感情などの)躍動、興奮、動向、意向
と書かれています。

「波」や「動」が多く、
横に流れを感じつつも
縦にエネルギーを感じませんか?

図にするとこんな感じでしょうか。

実は私は、ずっとこの
・拍感の重要性
・同じテンポで演奏することの難しさ
知りませんでした。

同じテンポで演奏する=当たり前にできるもの
そう思っていました。

その結果どうなったか?というと・・・

・拍の長さは理解してもノレない
・拍子も感じられないから拍子が変わっても気づかない
・休符を飛ばしても気づかない
・ノレないので楽しくない
・テンポやリズムを気をつけないといけない
・気をつけて弾くから楽しくない

などなど
演奏にも支障ができるし
音符は読めても楽しくない・・・

当然、
練習モチベーションも上がりません。

拍感は、
その後に学ぶ拍子やリズムの土台

なので、まずは
とにかく拍感を身につけるべく
レッスンを行います。

指導目標 :
① 自然に身体を動かしたくなる
② 次の拍までの「間」が待てる

とはいえ、拍感は
そんなに簡単に身に付くものではありませんし、
上を目指せばキリがありません。

また、
自然に身についている生徒さんと
そうでない生徒さんの差が大きいです。

そこで私が指導する際は、
・自然に身体を動かしたくなる
・次の拍までの「間」が待てる
を目指しています。

もちろん本来の拍感は
自由自在にテンポを操れるものですが、

ここは一旦、この目標を目指しています。

そしてその目標まで行くには
お子さんによっては数週間〜数ヶ月かけて行いますね。

レッスンで行うタイミングは

・気分を上げるためにレッスンの最初
・座った活動からの気分転換のためにレッスンの途中
・ノリノリで帰ってもらうためにレッスンの最後

などです。

また、順番が決まっていた方が
行いやすい生徒さんもいるので

生徒さんの状況を見ながら行っています。

指導例

とはいえ
数ヶ月に渡ってしまった場合、
毎回同じような方法だと飽きてしまいます。

そこで、
同じ曲に合わせつつも
様々な方法で行うとよいでしょう。

こちらは著者のナンシー先生によるレッスン動画です。
参考になるところも多いので
ぜひご覧ください。


(全音楽譜出版社Youtubeより)

https://youtu.be/Vp7ZiwPColE

他にも、

・♩♩♩♩のリズムで4拍ごとに鳴らす場所を変える
・♩♩♩♩のリズムで4拍ごとに鳴らす場所を変え、先生の真似をする
・♩♩♩♩のリズムで4拍ごとに鳴らす場所を変え、先生の模倣(カノン)をする

・曲の途中で音価(1拍・2拍・4拍)を変える
・4拍ごとにジャンプする
・打楽器を使う

・手は♩♩♩♩、足は全音符で歩く
・手は♩♩♩♩、足は全音符で歩く、4小節ずつ歩く方向を変える
・手は♩♩♩♩、足は全音符で歩く、4小節ずつ強弱を変える

 

【チェックポイント】
・音楽と手や足が合っている
・全音符で歩く時、1拍目に足が着くようにタイミングを感じている
・次の変化への準備をしようとしている

など、

毎週同じようなことを行いつつも、
少しずつ変化を加えて行っています。

これを行うことで
・変化要素があっても崩れない拍感を養う
・拍子感も養える
・足と手が違う動きをするので身体の使い方をコントロールする
・先生の真似をすることで観察力を養う
・カノンをすることで短期記憶を養う
など

動作をしながら次の動きを考える

という譜読みの土台を養えるので
オススメです。

もちろん違う速さも大事。
曲を変えても行います。

【大切なこと】

曲をこなすことではなく、
・拍感を身に付ける
・他の曲でも拍を感じているか確認する
です。

もし、このブログを読んでくださっているのが
親御さんで
ピアノを習わせたい!という方でしたら

おうちで音楽に合わせて
踊ったりするだけでも違いますよ。

【使用教材】

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