タイを忘れちゃう。何で?

生徒
生徒

ここのタイいつも忘れちゃうの…


もちろん、
「タイは音と音を繋ぐ」
は分かってます。

気をつけてもいます。
でも、どうしても忘れる…

どうして、忘れるのでしょうか?
本人にやる気がないのでしょうか?



違います。

それは他のことを考えるのに必死で、
タイのことを覚えておく余裕がないのです。

そしてそもそも、
・忘れる
・覚えておく
・気をつける

が、おかしな話。

音楽をイメージできてれば、
そう弾きたくなるのです。


逆に、
楽譜から音楽をイメージできず

「タイは繋がなきゃ!」
と理論だけで弾くから、
覚えなきゃいけなくなるのです。



ではどうしたら、
音楽をイメージできるのでしょうか?

そこでいくつか弾いて、聴き比べをしました。

楽譜通りタイをつけた演奏

タイを省いた演奏

③2小節目を休みにした演奏

④もう一度①の楽譜通りの演奏


それぞれどんなイメージがするか?
を考えてもらいます。

この生徒ちゃんの場合

先生
先生

楽譜通りの演奏

生徒
生徒

まあ、普通だよね…

先生
先生

タイを省き、2小節目も打鍵した演奏

生徒
生徒

あ、『何かまたある!』って感じがする。
邪魔だ…

先生
先生

(そうよ!さっき、君はそう弾いてたよ!)
③2小節目を休みにした演奏

生徒
生徒

何か、さみしい…物足りない

先生
先生

①もう一度楽譜通り

生徒
生徒

やっぱり、これがちょうどいい!
鐘の音が遠くに行った感じがする

先生
先生

じゃあ、鐘の音が遠くに行ったつもりで弾いてみて!

これでうまく行くことが多いですね。

場合によっては
左手を聴けてないケースもあるので、
その場合は、
左手だけ弾いて右手を歌う。
などのステップを踏むこともあります。



楽譜通りは
2回聴いてもらいました。

でも1回目と2回目の印象は
違ってます。

他の弾き方を聴いて、
比べることで違いを感じたからです。

このように、
楽譜通りの演奏だけだと
違いが分からず、

生徒さんは
タイの演奏効果を実感できません。


ましてや
「タイよ!気をつけて!」だけでも
本当の意味では納得できません。


生徒さんからすれば
言われなくても、気をつけてるよ!
でも忘れるのよ!
」など、

結局冒頭の状態に戻ります。

イメージについては
もしかしたら

生徒
生徒

タイがない方がいい!


という意見も出るかもしれません。

自分なりの考えを持つのは
良いことです。

それを伝えた上で、
でも作曲家は多分、
このイメージを伝えたかったんじゃない?と
作者のイメージを想像するのも楽しいものです。


いずれにしても、
・なぜタイがあるのか?
・タイがあることでどんな音楽になるのかを考え感じる

が大事。

でも生徒さんは
どうしたらタイから音楽を感じられるのか?
は分かりません。

そこは指導が必要だと思います。

でもその一手間を行うだけで、
音楽を深く理解できるので、
覚える必要がなくなります。

何度もできるまで練習しなくても…
記憶力に頼った練習をしなくても…

レッスン内で弾けることも多いです。




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