![](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2023/10/スクリーンショット-2023-10-24-7.10.51-1024x286.png)
「お祭りダンス」
(作曲:キャロリン・ミラー)の一部です。
今日の生徒ちゃん。
![生徒](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2023/08/Screenshot_20220908_085438.jpg)
ここ(赤丸)が弾けないの…
![先生](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/Screenshot_20220908_083602.jpg)
左手で、
[ソ]→[1オクターブ下ソ]
へ指を広げるんだよね…?
![生徒](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/12/Screenshot_20220908_085521.jpg)
そうなんだけど…
左手で、
[ソ]→[1オクターブ下ソ]です。
オクターブの指広げですが
音はソしかないので、
音読みは[1拍目ソ]が分かれば
簡単ですね。
生徒ちゃんも、
もちろん分かっていました。
このように
「音を読めるけど、弾けない…」は
よくあることです。
じゃあ「何が原因なのか?」
を探る必要があります。
その前に、
・今どうなっているのか?の現状確認
・それを本人が分かっているか?の確認
をしましょう。
「できない…」には原因があり
現状によって原因は変わります。
そして原因によって
改善策は変わるからです。
練習量の問題じゃないことも
多いです。
![先生](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/09/Screenshot_20220908_083602.jpg)
本当はどうしたいのに(理想)、
実際はどうなっちゃうの? (現状)
![生徒](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2022/12/Screenshot_20220908_085521.jpg)
本当は1拍目をソにしたいのに(理想)、
いつもラになっちゃう(現状)…
![](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2023/10/スクリーンショット-2023-10-26-7.49.07-1024x275.png)
おお!生徒ちゃんは
現状を分かっているようです。
弾いてる本人が
分かってないケースが
多いですからね…
しかも幸いなのが、
「間違え方は同じ」ということ。
となれば、
原因は特定されやすいので、
早く改善する可能性があります。
これが
「間違え方がいろいろ」となると、
原因特定に時間がかかるし、
原因もたくさんあるかもしれません。
「じゃあ、1拍目がどうして[ラ]になるのか」
の原因を考えます。
どうして隣に動けないのか?
そもそも、
ここの[ソ]を[左1番指]で
弾くために必要なスキルは、
前の[ラ]を1番指で弾いているので、
[1番指を鍵盤1つ分寄せる]という動き。
そして、それができる基本スキルは
①「その動きがある」を、本人が分かっている(理解)
②その動きを脳が指に伝える(テクニック)
が必要です。
そして
②をスムーズに弾くためには、
②-ⅰ:前の小節からのバス(1番下の音)[ミーレーソー]と、脳内で聴いている(聴く)
②-ⅱ:[ 1番指]が「鍵盤1つ分ずれる」距離感を捉えている(テクニック)
が必要。
そしてさらに②-ⅱのためには、
②-ⅱ-a:鍵盤1つ分動くための身体の使い方ができる(テクニック)
②-ⅱ-b:「ちゃんと鍵盤1つ分動いた!」を指で確認する方法が分かってる(テクニック)
が必要。
青:理論要素 緑:聴く要素 黄:テクニック要素
と、できない原因を掘り下げていきます。
表にするとこんな感じ。
![](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2023/10/スクリーンショット-2023-10-25-8.02.29-1024x417.png)
行う順番としては①→②、
そしてさらにはⅰ→ⅱ、a→bの順です。
(ちなみに、a,bができない場合の原因もありますが、
今回はそこまで行かなかったので割愛します)
理由は、②・ⅰ〜ⅱ・a〜bが
身についておれば、
基本的スキルの使い方を
分かってなかっただけなので、
①の本人が認識すれば
弾けることもあるからです。
でも①本人の
「わかってるけど、弾けない」は、
脳が働いてなくて、
単に運動感覚だけなので
②以下が原因です。
なので
何を脳で考えるのか?
を確認します。
どうして「わかるけど、弾けないのか?」
ほとんどの「弾けない」は、
この状態ですね。
主な原因は
・深く理解しきれていない
・脳から適切な命令が出ていない
です。
今回の場合、
②ができない原因は ⅰ〜ⅱが考えられます。
ⅰ:聴けていない
ⅱ:指の動きが分かってない
これらを確認します。
さらに、
②-ⅱ:指の動きが分かってない
の原因は、
「 隣に動く」という気持ちだけで弾き、
指先の触覚を使ってないのが原因です。
これ、意識しているようで
まだ命令の出し方が甘いんですね。
なので
②-ⅱ-a:鍵盤1つ分動くための身体の使い方ができる(テクニック)
②-ⅱ-b:「ちゃんと鍵盤1つ分動いた!」を指で確認する方法が分かってる(テクニック)
と、超具体的に考えます。
しかし
この感覚は人それぞれ違うので、
まずは本人の感覚を優先させますが、
「どうやれば良いのか?」
がわからなかったり、
「いや、その感じだとうまく行かないかも…」
と判断したときには、
もちろん私の方法を教えます。
今回は、
普段これらをレッスンで行っていたので
すんなりできました。
ただ活用できてなかっただけですね。
ちなみに今回の身体の使い方は、
「[浮き上がる手首]を使いながら隣に動き、
指先で鍵盤の溝を捉えると良いかも…」でした。
[浮き上がる手首]とは
ピアノアドヴェンチャーに出てくるテクニックの一つ。
リラックス状態を作り
手首から動く弾き方を指します。
![](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2023/10/スクリーンショット-2023-10-26-7.18.14-1024x550.png)
このように、
たかだか「隣に寄せる」という動きでしたが、
改めて見ると
色々なことを考え、
感じながら弾いていることが分かります。
ちなみにこの内容は
レッスンでは5分ほどの内容です。
「できない…」と
悩んで落ち込むのであれば
ここでじっくりと向き合い
・脳内で聴く
・隣に動く距離感や鍵盤感覚を身に付ける
を行っておくと、
同じような動きが出てきた時には
やりやすくなります。
練習は積み重ねが大事ですが、
回数を重ねるのではなく
こうした基本スキルを積み重ねると
ほとんどの方が弾けます。
それが
「とにかく指が覚えるまで弾く」だと、
どうやったら弾けたのか?
が分からないので、
・その場しのぎの練習
・その曲にしか通用しない練習
にしかならず、
使い回しができるスキルが
養われないのです。
このように
「できない…」には原因があります。
①現状を細かく観察し
②原因を探り
③適切な改善策を伝える
![](https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2023/10/スクリーンショット-2023-10-26-7.44.20-1024x395.png)
すると、
レッスン内で弾けることも多いので、
自宅練習は
「できてない部分を弾けるようにする練習」
ではなく、
「できたのを定着させるための練習」
なので、
練習も行いやすいのでは?
と思います。