モチベーションを上げるためには「ARCS手法」がおすすめ

先生
先生

テクニック指導で
いろいろ伝えるけど
生徒が前向きにやってくれない・・・

先生
先生

やればできるのに
やってくれない・・・

先生
先生

好きな曲って言ってたのに
練習してくれない・・・

ってことありませんか?


そうなんですよね。

指導のノウハウを
たくさん知ってても、


肝心の生徒さんに

生徒
生徒

やってみる!

の気持ちがないと、

生徒
生徒

先生が言うからやる・・・

生徒
生徒

弾けなきゃいけないらしい・・・

生徒
生徒

ご褒美がもらえるからやる・・・

など、
やらされ感満載な時間になります。

これでは
楽しい曲なはずなのに、

ほんと、
つまらない退屈な時間になる。

個人的には
もうそんなレッスン時間を過ごすのが
とっても残念・・・

そこで私は
教育心理学の手法(ARCS)を使ってます。

ARCSって何?

ARCSとは、
学ぶ人のモチベーションを高め、
持続させるために体系化されたものです。
(教育心理学者のジョン・ケラーが1983年に提唱)

1:「面白そう!」と興味を引く

 生徒さんの関心や好奇心、探究心を刺激する

2:「できると楽しそう!」と自分ごとにする
 学習内容が自分と関係あると感じさせる

3:「やればできそう!」と自信が持てる
 生徒さん自身が「できそう!」と思える課題設定をする

4:「やってよかった!」と満足感を感じる
  「もっとやってみたい!」と思う

各ステップの、
Attention(注意)」
Relevance(関連性)」
Confidence(自信)」
Satisfaction(満足)」
の頭文字をとって、

ARCSモデルと呼ばれます。

企業研修でも
よく使われる手法のようですね。



レッスンでも
この手順を踏むことで
たいていの生徒さんは、

生徒さん
生徒さん

やってみる!

生徒さん
生徒さん

もう一回弾く!

とか、




分析力がつくと

生徒さん
生徒さん

次の曲も弾いてみた!

となります。

場当たり的に行ってるのではなく、
ちゃんと意図して行ってます。



もしテクニック指導だったら

1:(興味)
「そんな音・イメージ・表現があるんだ!?」を知る
 生徒の関心や好奇心、探究心を刺激する

2:(関連性)
自分もそう弾いてみたい!どうやって弾くの?」
 学習内容が自分と関係あると感じさせる

3:(自信)
そのテクニックだったらできるかも!
 生徒さん自身が「できそう!」と思える課題設定をする


4:(満足感)
 弾けた!
  「もっとやってみたい!」と思う

と言った具合。

でもこれをうまく使うには
いくつかポイントがあります。

ポイント①:何に興味があるか?を把握しておく

レッスン中を観察する

これは普段の生徒さんの様子を
観察しておく必要があります。

先生
先生

どんな活動をしてる時が楽しそうか?

ということです。



よくあるのは、

・音楽表現
 ・リズムに乗ってるとき
 ・曲の魅力を表現し、味わえたとき
  (カッコよさ・キレイな感じ・不思議な感じなど)
 ・曲を聴いて「〇〇してるみたい!」と想像してるとき


・創作

 ・即興でノリノリで弾けたとき
 ・創作した曲から、「〇〇してるみたい!」と想像してるとき


・思考

 ・曲やメロディーの構成、仕組みを考えてるとき


など

色々な興味はありますが、
大きく分けて、
音楽表現・創作・思考の3種類です。




その興味を
ARCS手法の1:興味を引く
で使います。

例えば

・音楽表現
 ・ボールでリズムをやるよ!
 ・オバケになったつもりで弾いてみよう!どんな音の大きさがいいかな?
 ・(移調で)Gメジャーで弾くよ!何をしてる感じになるかな?
など


・創作

 ・左手はこの伴奏を使って弾くよ!どんな音楽になるかな?
 ・今度はⅤ7を使って曲を作るよ!どんな音楽になるかな?
など


・思考

 ・この#、何のためにあるのかな?

 ・この#があると、どんな音楽になるのかな?
など



グッズやご褒美に興味が行くと・・・

でも、「興味を引く」って聞くと
よくあるケースが、

・グッズの珍しさ
・ごほうび

など

音楽の学びとは違うもの。


するとどうなるか?というと、

1:(興味)
「そんな珍しいモノがあるんだ!?」を知る
 生徒の関心や好奇心、探究心を刺激する

2:(関連性)
自分も使ってみたい!」
 学習内容が自分と関係あると感じさせる

3:(自信)
使えるかも!
 生徒さん自身が「できそう!」と思える課題設定をする

4:(満足感)
 珍しいモノで楽しめた!
  「もっとやってみたい!」と思う

というように、

5歳くん
5歳くん

グッズを使って楽しかった!

5歳くん
5歳くん

ご褒美をもらえてよかった!


など
音楽とは違うことへの満足感
を得ることになります。


すると
・1話完結のエンターテイメント
・単なる「楽しい思い出」
になり、

学習意欲には
つながりにくいんですよね。



もちろん、
かなりモチベーションが下がってて、
グッズで興味を引くこともあります。


でもその結果、生徒さんの中で

5歳くん
5歳くん

グッズを使って楽しかった!

と、単なる「楽しい思い出」
になってるのか?


それとも、

生徒さん
生徒さん

これができた!

と、これがきっかけで、
「何かを学んだ」
「音楽するって楽しい」

の自覚があるか?

を把握することが大事。


なので興味を引くものは、

・音楽表現
・創作

・思考


など

音楽に関係があるものがおすすめです。



すると
音楽をすること自体が
ご褒美
になります。


それだけ
音楽の力ってすごいってことです。

人を頑張らせてくれるんですから。




ポイント②:生徒さんが何を身につけてるか?を把握しておく

1、2回やればできる課題にする

これは、
3:「やればできそう!」と自信が持てる
と思ってもらう課題設定を
決める時に必要です。



これは本当に、
1、2回やればできる課題
にします。



先生が「できる」
と判断するだけでなく、


生徒さん自身が
「できそう!」
と思える課題設定です。


実はピアノアドヴェンチャーなどの
アメリカ指導では、

学んだ概念(音楽ルール)を
より一層強化するために
移調・変奏・即興・創作を行います。



例えばわたしは、
ピアノアドヴェンチャー導入書の最後の曲で、

・リズム変奏
・メロディー変奏

を行ってます。

(ピアノアドヴェンチャー導入書「こてきたい」より

【目的】

・リズム変奏:
 4拍子のリズムパターンを使いこなせるか?
 (または4拍子感があるか?)

・メロディー変奏:
 ドミソを使ってメロディーを即興で作れるか?
 ・135の指の動きをスムーズに行う


など様々


これを数回で弾くには、

【4拍子】の概念
・4拍子や拍子の理解
 ・拍数を数えなくても4拍子が感じられる
  (4拍子の内在化)
 ・4拍子のリズムパターンを即興で作れる


【ドミソ】の概念
 ・ドミソが3度(スキップ)になってる理解
 ・スキップ=135の飛ばした指を使うテクニック

など

が必要です。



これが、

● 4拍子が分からない
● リズムパターンが思いつかない
● リズムパターンを使って弾けない
● ドミソを手を見て弾いてる
 (=スキップの概念がない)
● 135の指の動きが鈍い

となると
数回で弾けないので、

いくら「楽しそう!」と思っても、
飽きっぽい生徒さんにとっては
この課題設定は難しいかもしれません。

なので課題設定は
1、2回やればできる課題
がおすすめです。

上手く行くと・・・

ARCR手法
1、2で興味を引き、
3の課題が上手くできて、
4で満足感を得たら、

生徒
生徒

今度はこうしてみる!

など、遊びが発展することが多いです。


すると
遊んでるようで

ちゃんと「学びのある遊び」
になります。


また、
曲の魅力を伝えて帰すと

生徒
生徒

次の曲も弾いてみた!

となることも多いです。



ポイント③:上手く行かなかったら・・・

課題やレッスン内容を見直すきっかけになる

でも課題設定が
上手く行かなくても、

指導する上では
大きなヒントになります。


この難しそうな様子を見て、

先生
先生

何が未熟なのか?

がわかるからです。




今回の課題設定で
上手くいかない場合

先生
先生

・4拍子
・スキップ
・ドミソの鍵盤感覚がない
どれかの概念が未熟・・・

ということが分かります。



落ち込むこともありますが、
落ち込んでる場合では
ありません。笑

先生
先生

どうしたらいいか?
を考えて改善しましょう🎵


生徒さんの主体性が発揮される場合もある

上手くいかなくても
生徒さん自身の
好奇心・モチベーションの方が勝って

生徒
生徒

もう一回やる!

と、
頑張ることもあります。



これは
「音楽の楽しみ」
を生徒さんが感じてて、

生徒
生徒

できるようになりたい!

と心から思ってる証拠です。

こうなると
嬉しいですよね。



なので
上手く行かなかったら、

生徒さんのモチベーション
とのバランス
を見ながら、

・課題設定を見直す
・普段の指導を見直す

がオススメです。

まとめ

というわけで、

先生
先生

生徒さんに前向きになってほしい!

という場合は、
ARCSモデルがおすすめ。



でもポイントでもお話ししたとおり、

これを使うためには、
・生徒さんの興味の把握
・身につけてる概念の把握

が必要です。


特に「興味」については
普段のレッスンで

・どんな時にどんな表情をするか?
・どんな発言をするか?
・どんなトーンで発言するか?
・頭の中で何を想像してるか?
など


生徒さんを
よく観察する必要があります。



実はむかしの私は、

生徒
生徒

弾けたら楽しくなる。
だからたくさん練習させないと!

と思ってました。


そのため
コーチングを10年ほど学んで来ました。


コーチングとは、
やる気を引き出し、目標達成をサポートする
コミュニケーション術です。




それなりに成果もありましたし、

先生
先生

色々な考えの人がいる!

先生
先生

やる気のない人はいない!

という考えを持てたのは
とてもラッキーでした。



一見、やる気がなさそうに見えても、
生徒さん自身を責めるのではなく、

先生
先生

やる気を邪魔してるものは何かな?

という視点で見れるからです。




でもコーチングって、
自己肯定感が低い人には
効果がありません。

生徒
生徒

できない…

生徒
生徒

失敗したくない…

という人には、
「できてるところ」の
想像ができないからです。

なのでまずは
肯定感をあげる必要があります。




そんな時に
アメリカ指導法と
今回ご紹介したARCS手法に出会いました。


この2つが
とても相性が良く、


・ピアノスキルも身に付く
・ピアノを通じて遊べる
・ピアノを通じて自己表現できる



そんな生徒さん
を育てやすくなりました。



そのためには、

・学ばせたいことを決める
・生徒さんが何に興味を持っているか?を把握する
・生徒さんが習得してる概念を把握する

が必要ですが、


これって
「教える仕事」の人には
必須項目だと思うんです。



算数を教えるとき、
先生でなくても

親御さん
親御さん

何がわかってるか?
わかってないか?

親御さん
親御さん

どこで、どんな誤解が起こってるか?

は、把握しますよね?


それと同じ感覚です。




さぁ今日もレッスンです。
音楽を使って
生徒さんを元気にしましょう!





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