
たくさん練習してるのに
スラスラ弾けない…
そこでおすすめなのが
「パターン読み(かたまり読み/模様読み)」です。
アメリカ指導だけでなく、
日本でも数十年前からある
よくある手法ですね。
珍しくない手法ですが、
このようなカードやアプリって、
課題ができたとしても、
譜読みや演奏に活かせないケース
が多い気がします。
そこで2度の音程パターンカードを例に、
・使用方法
・譜読みへのつなぎ
をどのようにしているのか?
をご紹介します。
2度の音程パターンカードは
無料でダウンロードできるので
ご活用ください。

また、このブログ内容を動画解説してます。
動画の方がよろしければこちらをどうぞ!
まずは、
なぜパターンで読むと良いのか?を
お伝えします。
なぜパターンがいいのか?
メロディーが想像しやすくなる:
「ソ、ラ、シ、ド」とバラバラに読むのではなく、
一つのつながったメロディーとして頭の中で鳴るようになります。
指が迷わなくなる:
「隣に動く音だから、隣の指を動かせばいいんだ!」と、
手が自然に動くようになります。
そもそも譜読みは、
音符を通じて音楽や指の動きを読む作業。

譜読みが遅い人の特徴の一つが
音符を1つ1つ読むこと。

これはバイエルの曲ですが、
1つ1つ読む人の音符の読み方って
こんな感じです。

これって
わかる音から
縦に読んでるんですよね。
音符1つ1つでは、
点でしかないので
メロディーを想像しにくいのです。
でも譜読みが早い人は
音符を横に読んで行きます。

そこで今回のカードで
・複数の音符をグループで読む
・音符を横に読む
という認識の仕方を練習し、
・音を想像する力
・指の動き
をセットすることで
演奏に活かせるようになります。

カードの種類と難易度
カードには大きく分けて「音列カード」と「指カード」の2種類があります。
●音列カード:音の並びを言う練習用

●指カード:実際に指を動かして弾く練習用

それぞれに①②③…と番号がついており、
基本的には番号順に
難易度が上がっていきます。
すべてのカードをやる必要はありませんが、
・練習時間が少ない
・不器用なタイプ
そんな生徒さんには
順番に進めていくことをおすすめします。
ちなみにパターンの種類や難易度は
こちらの論文を元に作成しました。
擬似音符に対する初心者の視覚情報処理
ー音楽レッスン前後での発達的変化ー
使い方(音列を歌う)
私のレッスンでは、
・歌う
・リズム
・音符
・即興
・初見
・テクニック
・テキスト曲
の流れで指導することが多いのですが、
その毎回のルーティンで
今回のパターンカードを
1〜2種類ずつ行ってます。
なので、一気に終わらせるのではなく、
少しずつ行う感じです。
音列①:階段(上行)
これは同じ音から2度上がるシンプルなパターンです。

●一定のテンポを守る:
ゆっくりでOKなので、テンポを一定に保ちながら止まらずに言う
●パターンとして認識する:
一つ一つ音を読むのではなく、パターン全体を一度に認識する
●音の高さよりも方向性を重視:
完璧な音程で歌えなくても大丈夫。上がる・下がるの方向性は意識する
最終的には、
メトロノーム70くらいのテンポで
スムーズに言えることを目指します。
その他のパターン
●音列②:階段(下行)

下に下がるって
意外に難しいです。
●音列③④:4音の直線

●音列⑤~⑧:途中で方向が変わる


途中で方向が変わるのも
難しいですね。
というように
少しずつ難易度が難しくなります。
3回行ってもできない場合
数回行ってもスムーズに言えない…
という場合は、
まだ音の並び(ドレミファソ…)が
頭にしっかり入ってないかもしれません。
そんな時は無理をせず、
・先生の後に続いて真似して歌う
・音の階段の図を見ながら歌う
などを行い、
音の順番に慣れること
を復習しましょう。

使い方(弾く)
指①:直線(上行)

指カードでは、
赤い数字:右手の指番号
青い数字:左手の指番号
を表しています。
最初の音を書かれた指で弾き、
続く音の動きを読んで弾きます。
どこでも良いので
隣あった鍵盤に手を置き弾きます。
まずは右手→左手の順に弾きましょう。
これにより、
・音符の動き
・指の動き
を連動させる感覚を養います。
●一定のテンポを守る
●パターンとして認識する
●手を見ずに弾く:
目は音符を見るために使います。
そのため手は見れないので、手を見ないで弾くのを養います。
ここでよくある問題が
手を見てしまうこと。
この習慣があると
目は楽譜と鍵盤を往復することになり
かなりのストレスとなります。
なので

手を見ないで!
と気合いで何とかするのではなく、
原因を探り改善します。
手を見てしまう原因と改善策
これは、自分の指が鍵盤に乗ってるところをイメージできないからです。
改善策は、
1、まず指の写真を撮る

2、1の写真を見ながら弾く(自分の指は見ない)
3、写真を見ないで弾く
など、
徐々に脳内でイメージできるようにします。
これは、指先が鍵盤から離れすぎて、
ミスを多発した経験が原因です。
なので指主導の動きではなく
手首主導の動きにし、
指先が鍵盤から離れないようにします。
譜読みへのつなぎ
他の要素も連携
今回の2度のパターンは、
あくまでも2度の動きだけを
できるようにした段階です。

拡大すると・・・

・線上の2度の音列を言う/弾く
・線上の2度パターンを指番号も読んで弾く
その後は
・音名も読めるか?
・リズムが加わっても読めるか?
を行うなど
少しずつ同時処理できるスキルを
養います。

他の音程も学ぶ
音楽は2度だけでなく、
3度や4度など色々あります。
最終的にはスケールや和音の知識、テクニックも
身につけていきながら
難しい曲も弾けるように指導します。
学んだことを読譜に活かす
学んだことは使わないと身につきません。
パターン認識を活かすには、
実際の楽譜でパターンを見つける
「分析」が効果的。
例えばこれは
ピアノアドヴェンチャーブックBの曲です。

左手ドレミファソの音符を学ぶ課題ですが、
まだ音符を読むのに慣れてない段階です。
でも
・最初の音がわかる
・パターンが見つけられる
すると
ほとんどの生徒さんが初見で弾けます。
そして2回目に弾く時は
電車が遠くからやってくるのを
表現するなど、
ほぼ初見段階から
音楽的な活動ができるので
満足気に帰ってくれます🎵
さらに上級になると、
「シークエンス(同じパターンが少しずつズレる手法)」
も分析します。
例えばブルグミュラーの「無邪気」では、
同じパターンが
2度ずつ上がるシークエンスが使われています。

このように
パターンがどう変化するか?
などを事前に分析しておくと、
一音一音読む必要がなくなり、
譜読みが格段に速くなります。
まとめ:1音読みは卒業しよう
このようにパターン認識ができると
譜読みも早いし、
何より「音楽を感じる時間」
へ早い段階から移行できるのが
とても良いと思います。
ぜひパターン認識に慣れて
音楽を味わう時間が増えるとイイなと思います。
音程パターンカード(2度)
===========
ピアノ指導の教科書
