体験レッスン指導案

ピアノアドヴェンチャーを使い始めて10年ほどです。

おかげでたくさんの生徒さんたちと巡り会いました。

卒業した生徒さんもいますが、ほぼ全員、吹奏楽・合唱、バンドなど、音楽に触れているようです。

体験レッスンも95%以上の入会率で、 自宅マンションから店舗運営へ移行できたのも、ピアノアドヴェンチャーのおかげです。

そこで今回は、私がよく行う定番の体験レッスンをご紹介します。

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体験レッスンの目的

まずは体験レッスンへの考え方をお伝えしようと思います。

体験レッスンへの考え方は色々あると思いますが、私が大事にしているのは次の3つです。

音楽を楽しんでもらう場

先生にとっては「体験レッスン」の1人ですが、生徒さんにとっては「初めてのピアノ体験」です。

その生徒さんの「音楽イメージ」「ピアノイメージ」が決まるので、ある意味責任重大だと思います。



実は、昔の私は「1曲弾ける」を目指してたこともありました。

でも
・弾けるまで大変…
・弾けても大変さの方が勝り、反応が悪い…
などの経験をしました。

それなりに楽しんでくれましたが、しっくりきません。

「弾けた喜び」はあっても、音楽を感じてないからですね。

もちろんどちらも大事です。



私は「音楽を通じて自信を持ってほしい」と思っています。

自信を持つには「小さな成功体験の積み上げ」が定番ですし、私もその手法を行っています。


でも、心から「やってみたい!」の種になるのは「音楽っていいな…」と思う気持ち「感性」です。

なので「できる/できない」「能力/努力」よりも、「味わう気持ち」「音楽って楽しい!」と思う気持ち」を育てることを優先させています。

すると、曲らしい曲は弾けてませんが、入会していただくことが多いです。

どんなお子さんなのか?を知る場

体験レッスンは「入会」がゴールではありません。

入会後スムーズにレッスンできるか?の方が大事です。

そのためには生徒さんのことを知る必要がありますね。

そこで下記のような観察をします。

〈観察ポイント〉
・性格

・学習意欲(自信の度合い)

・学習タイプ(空想タイプ、理論タイプなど)

・スキル確認(拍感、音感など)

もちろん、これを機に指導をがんばる必要もありますが、もし難しい場合は、お断りする勇気も必要だと思います。

指導方針・指導スタイルを伝える場

これは入会後のトラブルを防ぐためです。

ピアノを習う目的は 、

・音楽で感性を育てたい
・音楽好きになってほしい
・好きなことを見つけてほしい
・得意なものを身につけてほしい
・学校の伴奏を弾けるようになってほしい

など様々です。

そのご希望に応えられるのか?を確認すると、親御さんからの不満や不安が少なく、先生も安心して指導ができます。



でも…
親御さんや生徒さんの気持ちはいつの間にか変わるものです。親子で考えが違うことも。

なので、
・気持ちの変化を観察
・コミュニケーション
が欠かせません。


ではいよいよ、体験のお問い合わせが来ました。
どうすればいいでしょうか?

体験前

体験レッスンは、お問い合わせの時から始まります。

どんなお子さんか?をお聞きする

〈質問項目〉
・年齢(4歳以下は月齢も )
・どんな性格か?
・何の遊びが好きか?

親御さんも、色々不安や疑問を抱えながらお問い合わせされることでしょう。

なるべく不安を減らして差し上げるべく、お子さんの様子などをお聞きするのがおすすめです。



そこで私は、普段のお子さんの様子も伺うようにしています。

昔は「お会いしないとわからないし、色々尋ねるのも失礼かしら…?」と思っていたのですが、お子さんのことを聞くことで打ち解けることもあるので、

私

なるべくお子さんに合った内容にしたいので、少しお子さんの様子をお聞きしてもいいですか?

と私は尋ねるようにしています。

もちろん、いざレッスンとなると、

生徒
生徒

あれ?
聞いた感じじゃないな…

もよくあります。

結局は当日にならないと分からないのですが、少しは心構えができると思いますし、そこで親御さんの視点と先生の視点の違いを知ることができるので、今後のコミュニケーションの参考になります。


年齢(4歳以下は月齢も )

これはされている先生は多いでしょうが、3歳さんは月齢差が大きいです。

もちろん個人差もありますが、「3歳なりたて」と「もうすぐ4歳」ではかなり違いますね。

特に会話や言葉の差が大きく感じます。

なので前者は、言葉ではなく「やって見せて真似させる」など、伝達方法の工夫をします。

どんな性格か?

・恥ずかしがり屋
・活発
・心配性
・優しい
・本当は活発だけど、最初は人見知り など

これは、性格によって順番や内容を変えるためです。

活発:リズム活動からスタート
おとなしい:ピアノフレンズの紹介からスタート
など。

何をして遊ぶのが好きか?

・歌う
・踊る
・砂場
・ブロック
・絵を描くなど

これも、内容を決める時の参考になります。

歌や踊りが好き:歌や踊りを多め
絵を描くのが好き:イメージするのを多め
など。



いよいよ体験レッスン

ひととおり挨拶をすませて、レッスンスタートです。

1、音階で歌う(こんにちはタワー)

目的:コミュニケーション

いきなりピアノアドヴェンチャーではないのですが、
あいさつを兼ねて、歌の模倣をしてもらってます。

指導方法

先生
先生

〇〇ちゃんこんにちは!

先生
先生

お人形が「こんにちは〜」って歌うよ。

先生
先生

生徒ちゃんも、
『こんにちは〜』ってお返事してね!

と、模倣の練習。

先生
先生

じゃあ、今度はお人形がどんどん上がって行くよ。

先生
先生

生徒ちゃんもついてきてね!


と、片手でピアノを単音で弾きながら中央ドから高いドまで1音ずつ上がって行く。

反対の手は人形を持ち少しずつ高くする。


観察ポイント

この段階で音感がなくてもOK!
小さな声でもあいさつが返せればOK!
です。

「もう少し高く!」
など改善の指導はしないです。


でも今後のためには、下記のことを観察しておきます。

〈観察ポイント〉
・歌への抵抗感

・歌の高さを変えられるか?


〈よくある現象〉
・高さが全く変わってない
・音程が合ってない(合ってる方が少ないです)


〈原因〉
・高さが変わってることに気づいてない
・気づいても、どうなってるか?(高くなってるなど)がわかってない
・どうやったら同じ高さで歌えるのか?がわからない
など

これらを入会後に指導していきます。

〈注意ポイント〉
・はずかしそうだったら、『先生とあいさつ』というよりも、「ぼくプーさんだよ!」など『人形とあいさつ』の感じがおすすめ。

・苦手意識がありそうだったら、後回しか中止にする。


2、リズム活動 (p 9『さあ、ぼうけんに行こう』)

目的:リズムにのる楽しさを味わう

いくら正しく弾けても、リズムに乗ってないと楽しくありません。

「間違えた!」などは後回しにして、リズムのノリを味わいます。

指導方法

1、8回ずつ音楽に合わせて色々なところ(お腹や肩など)や楽器を鳴らす
  生徒は先生と同じところを真似して鳴らす

2、1で行ったことを4拍ずつに減らす

3、鳴らすところを身体以外(椅子や床など)に広げる

4、(5歳以上だったら)足踏みしながら鳴らす
  ※鳴らすところは上半身のみにする。

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観察ポイント

ここでは、楽しそうにしてればOK!

ズレても間違えても指導はしませんが、下記の内容を確認しておきます。

〈観察ポイント〉
・拍感の有無

・数が数えられるか?
・音楽に合わせようとしているか?
・指示の通り具合(見てるか?聞いてるか?)
など

〈よくある現象〉
・身体をタテに揺らさない
・真似するのが遅い
など

〈原因〉
・拍を感じる習慣がない
・聴きポイントが分からない
・言葉の意味が分からない
など

これらを入会後に指導していきます。


3、キャラクター紹介(p 8『ピアノフレンズの紹介』)

目的:仲間意識を持つ

小さなお子さんは、仲間がいると心強く感じます。

おとなしい生徒さん、はずかしがり屋の生徒さんだと、動いてくれないこともあるでしょう。

そんな時は「ケイティと一緒にやってみよう!」などと誘うと、スムーズにやってくれることが多いです。

指導方法

全員の紹介をしたいところですが、
・名前を覚えるのが大変
・時間的余裕がない

などの場面があったので、

私は、1レッスンで1〜2人ずつ紹介しています。



紹介する順番ですが、

生徒
生徒

仲間がいると安心!

と思う生徒さんはおとなしい生徒さんが多いので、ケイティから紹介するようにしています。

〈紹介内容〉
・ケイティの性格
(私は勝手におとなしい性格に設定しています)

・ケイティの好きなもの
(イラストの背景に書かれているものがケイティの好きなものです)

こうして、生徒さんや先生の好きなものの話をすることで、先生やレッスンへの緊張を和らげることができます。

さぁ!そのケイティたちとピアノの探検に行きましょう!


4、ピアノ探検(p 12『ピアノのおと』)

目的:色んな音に触れる

・ピアノという楽器に親しんでもらう
・色々なニュアンスの音を知る

指導方法

先生
先生

今度はピアノの探検に行くよ!

先生
先生

まずは、白い鍵盤だよ!

とお手本を弾き

先生
先生

生徒ちゃんもいろいろ弾いてみて!

と生徒さんにも促す。

他にも
・黒鍵、ピアノの蓋/椅子の音
・ヒヨコ/トラ/ネズミ/ヘビの音
を鳴らしながら紹介する。


観察ポイント

〈観察ポイント〉
・ピアノのあちこちを探る様子があるか?
・いろいろなニュアンスの音に興味を持っているか?

小さな音(p)を鳴らしても、頭の中で考えてることが
「小さな音で弾こう!」の言葉なのか?
「ヒヨコが歩く」の音イメージなのか?
は、演奏も、弾きやすさも、脳内ストレスも全然違います。

表面的に「小さな音が鳴らせた」を診るのではなく、
脳内で何を考えてるか?を観察します。


5、いろんな音で即興演奏(p 14『さあ、ひいてみよう』)

目的:鳴らし方を変えると登場動物が変わる面白さを伝える

前の課題で知った音を使って即興をします。

指導方法

先生
先生

さっきの動物さんたちに演奏をしてもらおう!

先生
先生

まずは何の動物かな?

先生
先生

ヒヨコだね!

と楽譜に書かれているイラストを確認。

先生
先生

じゃあヒヨコさんに演奏してもらおう!

と、ヒヨコ部分だけ連弾で弾く。

同様に他の動物や黒鍵などを弾く。

最後まで行ったら、連弾で通して弾いてみる

速く弾けそうだったら、いきなり音源でもOK!

観察ポイント

音色々な鳴らし方を変えて、音色の違いを聴こうとしているか?



6、色んな音を聴き分ける(ライティングブックp 11『このおと どんなおと?』)

目的:「聴く」を経験する

いろんな音の聴き分けができるか?を確認する

指導方法

先生
先生

色んな音があったね!

先生
先生

今度は、鍵盤の上を色んな動物さんが通るよ!

先生
先生

誰が通ったか?を当ててね

と後ろを向かせて、音のニュアンスを聴き分けてもらう。

イラストを用意して指すスタイルにすると、恥ずかしがり屋の生徒さんでも答えやすいです。

先生
先生

できたね!

先生
先生

じゃあ交代!

先生
先生

今度は、生徒ちゃんが音を鳴らして!
先生が当てるから!

と生徒さんに問題を出してもらい、先生が答えるのもおすすめです。

これにより、
・色んなニュアンスの音を理解している
・それらを弾き分けられるテクニックがある
が分かります。


7、黒鍵を使って即興

目的:ピアノを弾くって楽しい!と思ってもらう

ここまで、
・拍を感じる
・色んな音を知る
・色んな音を聴く
を行いました。

それを使って今日の復習を行います。

指導方法

先生
先生

今からピアノを使っておしゃべりをするよ!

先生
先生

生徒ちゃんは、
何色がすきなの?

生徒
生徒

ピンク!

先生
先生

じゃ、先生が、『何色すきなの?🎵』と聴くから、

先生
先生

生徒ちゃんは『ピンクだよ〜🎵』と答えてね。

と、黒鍵を使って即興。

できたら
・色々なニュアンスの音を弾き、真似するか?をためす
・決めた黒鍵以外も弾く
などを行うのがおすすめ。

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詳しい指導手順はこちら↓

実際の動画はこちら↓

観察ポイント

〈観察ポイント〉
・拍を感じてるか?

・先生と交互に弾けるか?
・色々なニュアンスを聴き分けてるか?
・色々なニュアンスが弾けるか?
・色んな音域の黒鍵を弾こうとするか?
など


意識してること

生徒さんの興味を尊重する

生徒さんの力量はもちろんですが、興味によっても内容を変更します。

〈よくある事例〉
・音探しが面白くて、あちこち鳴らしはじめる
  → ピアノだけでなく、他の楽器・壁やドアなどを鳴らして擬音化(コンコン、ドンドンなど)

・イラストに興味を持つ
  → 音楽表現や創作の題材にする

・不安感が大きい生徒さん
  → 項目は少なく細かくステップを踏む

・飽きっぽい生徒さん
  → 同じ内容だけど楽器を変えて行うなどバリエーションを増やす

・ピアノに近づかない生徒さん
  → リズム活動やリトミックを増やす

・幼稚園で習った曲を披露する生徒さん
  → 伴奏をつけて歌う

・ぬいぐるみを持ってくる
  → 生徒さんの代わりにぬいぐるみに弾いてもらう

など。

これは体験レッスンだからではなく、普段から行っています。

好きなものが音楽になるって嬉しいと思います。


体験用の特別内容にしない

私は「体験だから…」と通常レッスンではない「体験用の特別内容」にはしないです。
(これは「体験」の考え方が色々あるので、あくまで私個人的な考えです。)

というのも、私の考える「体験」とは、『これなら習いたい!』と、「通常レッスンを体験してもらう場」だと考えています。

「おためし」「体験」って、ピアノだけでなく、ヨガやスポーツジム、英会話教室など色々な分野でも行われていますね。

でも私自身が以前体験した時、体験の受講内容と通常の内容が違ってて違和感を感じたことがありました。

なのでピアノ体験レッスンでも、「通常レッスンの内容」「ご入会後はこの続きを行う内容」にしています。

音楽(リズム・音)を感じる時間にする

心から「楽しい!」と感じるには
リズムの躍動感を感じているか?が大事です。

これはドキドキするので、「曲が弾けた!」よりも感動度合いは大きいですね。

そもそも、その感動を味わって欲しくて指導をしています。

なので、仮にご入会に至らなくても「楽しい時間」「音楽(特に導入時期はリズム)を感じる充実した時間」にしよう!という気持ちで臨んでいます。



体験レッスンシート(ダウンロード)


ここまで読んでくださりありがとうございます。

長くなってしまったので、一覧にしたシートをご用意しました。

何かのお役に立てればと思います。

では、音楽が味わえる生徒さんが増えることを願っています。








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