拍感なくテンポキープが苦手だった生徒さん。
昔の私はここで
メトロノームに合わせて練習して!
でもそれだと
メトロノームがなくなったら
弾けなくなるんですよね…
理由は、メトロノームに合わせてるから。
メトロノームは「間」の調節
え?メトロノームに合わせるんじゃないの?
と言われそうだけど、
本来のメトロノーム練習の目的は、
拍と拍の間にある「間」の調節。
「どれくらい待てば次の拍が来るか?」
の間隔を感じるのが大事なんですよね。
例えば、
目隠しをして5メートルを歩くとし、
1歩=0.5メートルで10歩で歩くとする。
そのとき、0.5メートルを
メジャーで測りながら歩くんじゃなく、
感覚的に0.5メートルの歩幅を
調節しながら歩く感じ。
例えば
✅どれくらい足を進ませるのか?
✅どれくらい足を上げるのか?
などを調節しながら
1歩=0.5メートルを作る。
この「調節」をすることで
どんな感じに歩けば5m歩けるか?
を体感する。
メトロノームでいう「間」だ。
だからメトロノームにピッタリ合わせられても、
「間」を感じてないと
メトロノーム練習の意味がない。
まさに今回の大人生徒さんも、
メトロノームに合わせに行ってた。
次の拍が来るまではじっと待ち、
拍のタイミングだけを狙ってる状態。
これでは「間」は分からない。
でも「間を捉える感覚」が分かると、
違う速さでも「間」を調節するだけ。
0.6mずつに変えて歩く場合(割り切れないけど…)、
歩幅を少し長くするか、
上げる高さを高くする。
メトロノームも同じ。
なので練習する前に
「拍を捉える感覚」をまずは養う。
すると
練習すればするほど拍感は養われる。
「間」を捉える練習
なのでレッスンでは
メトロノーム練習の前に、
「間」を感じるとはどういうことか?を行う。
音楽に合わせて歩くのも有効。
そのとき、
✅どれくらい足を進ませるのか?
✅どれくらい足を上げるのか?
✅どのタイミングで次の1歩を出すのか?
✅足(foot)主導で動くか?膝主導で動くか?
などを調節しながら
「次の拍が来るまでの動作=間」を感じる。
ボールも有効。
適当な曲に合わせてボールを床に付く。
最初は♩=60以下のゆっくりな速さがおすすめ。
ボールの場合、
1、投げる前 :手首が上方向へ動き→続いて腕全体も上方向へ動く。
2、投げる瞬間:軽く勢いをつけながら逆の下方向へ投げる。
3、投げた後 :跳ね返ったボールを受け取り、その流れのまま腕全体が上方向へ動く…
これの繰り返し。
その時、
✅投げる前:どれくらい手首を上げるか?
✅投げる前:どのタイミングで下方向へ変えるか?
✅投げる瞬間:いつ投げるか?
✅投げる瞬間:どれくらいの勢いにするか?
を調節する。
この感覚がつかめると、
調節は微調整程度になり
さほど考えなくてもできることが多い。
何を優先するか?
ちなみに今回は行わなかったけど、
このボール運動をしながら
歌を歌うこともある。
その場合、
加えられた「歌」に意識が行きがち。
違う!
これは「歌」に「拍」を合わせることになる。
これでは拍感を練習した意味がない。
そうではなく、
土台となってる「拍」を崩さないのを
優先させながら歌う。
間違えそうになったら
「拍」を守るようにする。
歌ではない。
こうして
・「拍」に歌をのせる感覚
・「拍に乗ると楽」を感じる
が大事。
この感覚を使ってメトロノーム練習する。
ちなみに譜読みに余裕がないと総崩れになるので、
簡単な曲で行うのがおすすめ。
身体の動きを調節しようとする意識が大事
たまに
「リトミックやってるから大丈夫よね?」
とご質問を受ける。
リトミックを行ってても
生徒さんが「間」を調節する様子
がなければ意味がない。
なので、拍やリズムの指導は
「できた・できない」の
結果を伝えるだけでなく、
ましてや
「できるまで何度もやってね!」
ではなく、
生徒さんの身体の動きを
細かく観察し、
・何を意識するのか?
・どこを調節するのか?
を伝えるのが大事。