4歳で〇〇が弾けた。
でも発表会で辞めた。
よくこんなお話を聞く。
実はそんな生徒さんが
ウチに移籍してくる。
そして体験レッスンで
「前の教室の発表会で弾いたので…」
とその曲を弾いてもらうと
①楽譜見てるけど丸暗記。
②単に音を辿ってるだけの表現。
だいたいこのパターン。
ちなみにウチと同じように
移籍生徒さんの特徴を聞いても
コレです。
①:楽譜見てるけど丸暗記
①楽譜見てるけど丸暗記は、
譜読みができてないのが原因。
初見レベルと
曲の難易度が
違いすぎるのだ。
不思議なことに
「これは何の音?」と尋ねると
分かってる人も多い。
(分かってないのも多いが)
でも音符読めるのに
弾けないのは
譜読み方法を知らないからだ。
なので生徒さんは、
何度も弾いて
運動感覚で覚える。
という丸暗記の手段をとる。
すると生徒さんにとっては
「練習=暗記の時間」になる。
これって、
意味の分からない英文を
ひたすら暗記するのと同じ。
かなりツラい作業だ。
いくら好きな曲でも
そりゃ嫌になる…
②:単に音を辿ってるだけの表現
これは
生徒さんの価値観にもよると思う。
「正確に弾く」に
価値を感じる生徒さんは
少々音楽性が乏しくても
満足感はあると思う。
(本来そうではないけど)
でも
元々音楽性の高い生徒さんにとっては
「音楽をしたい」
という価値観があるので
①の暗記練習が耐えられない。
だから
「練習が楽しくない…」となり
辞める。
でもまずは読譜でしょ?
先生からは
え?!
でも曲が弾けてないと
音楽的に弾けないでしょ?!
と言われそうだ。
その考えも分かる。
私もそうだったから。
でも
ピアノアドヴェンチャーを使うようになって
その考えは無くなった。
というのも
・ヒヨコが歩く音
・トラの大きな声
など強弱記号を知らなくても
表現できる事を知ったから。
いや、「表現」の概念が変わった。
というのが正しいかも。
表現って?
それまでは
「表現=強弱記号を守る」と
思ってた。
違う。
頭の中で想像したのを
音として鳴らすのを表現という。
「p=小さな音で弾く」
ではなく、
・ヒヨコが歩く音
・星がキラキラする音
・雪が降ってる音
・そよ風が吹く音
などを音として鳴らすのだ。
こうして育った生徒さんの演奏は
「楽譜通り正しく弾きました」
ではなく、
とても自然な演奏になる。
仮にテクニックが未熟で
拙い演奏になったとしても
なんか「伝わる演奏」になる。
なので
曲が弾けてなくても、
読譜ができてなくても、
音楽を表現することは
可能なのだ。
その時の子供達の表情は
本当にキラキラしてる。
私は読譜には
少々こだわりがあるが
正確に弾ける。とか
難しい曲が弾ける。とか
「達成感」を味わって欲しい。とかは
その後の話だ。
なのでいくら
「発表会で〇〇が弾けた!」
と言っても
生徒さんにとって
・曲の難易度が適正だったか?
・音楽を味わえたか?
がないと
ピアノを弾く意義を感じず
「練習大変…辞める…」となる。
移籍してきた生徒さんのその後
ちなみにコレ↓は
移籍してきた生徒さんの楽譜。
曲の難易度は
かなり低くなったが、
・曲を聴いてイメージする
・自分で強弱記号を考える
・そう弾くとどんな音楽になるのか?を想像する
など、
自分でどんどん
音楽を表現してる。
先日も連弾してて
いきなりpで弾いた!!
え?なんでpにするの?
だって、雲の上走ったら楽しそうだから!
のぼるって書いてるし!
といった感じで
毎回楽しませてもらってる。
前の先生には少なくとも
・ピアノ好き!
・大変だったけどやっぱり習いたい!
という気持ちは残してもらえたので
その点ではお礼を言いたい。