ピアノアドヴェンチャー
レベルC「まどのあまつぶ」
を弾いてる生徒ちゃん。

ここでは「反行」を学びます。
楽譜通りには弾けたので
強弱を変えて遊んでみました。

はい!できました!
だけでは面白くないからです。
せっかく弾けたので遊びたい!
とはいえ、
本当に遊びでは意味がない…
そこで
・何か学びがあること
・生徒ちゃんが喜びそうなこと
これを探ります。
「雨」を表現する
そこで今回は
「いろいろな雨」
を表現してみようと思いました。
生徒ちゃんは空想好きだし
強弱を変える練習にもなる
と思ったからです。
でも

pにして!
と、単に指示しただけじゃ面白くない…
そこで私が強弱を変えて弾いてみました。
まずは f で弾いて、

これってどんな雨なんだろ?

ザーザー雨!
今度は p で弾きます。

これはどんな雨?

ポツポツ雨になる!
面白い!
弾き方を変えると
雨の様子が変わるのが
面白いみたいです。
「弾き方を変えると音が変わる」って
指導者にとっては当たり前。
でも生徒さんにとっては
とっても不思議なこと
なんですよね。
そんな新鮮さも
味わってほしいですね。
というわけで
生徒ちゃんの頭の中は「雨」。笑

やってみる!
と強弱はもちろん、
前に行った
・音域を変えて弾く
・速さを変えて弾く
のアイデアも使って
何回も弾いてました。

・これは嵐だな…
・これはもうすぐ止みそうな雨!
・これは風もグルグルしてる!
と楽しそうです。
でもこれが

pで弾いて!
の指示だけだと、

できましたけど、それが何?
と全然盛り上がらない…
なので
生徒さんの好みそうな活動を使って
指導します。
すると私が「pで弾いて!」
なんて言わなくても
ポツポツ雨を想像すると
自然にpになるんですよね。
こうして遊びながら
テクニック習得も目指します。
指導解説
ちなみに今回の指導の流れを
下の譜読み工程図で言うと

今回は音符ではなく
表現についてなので、
こんな感じです。

① 強弱記号を見る
② pやf の意味を考える(理論)
③ pやf の音を想像する(内的聴覚)
④ pやf を鳴らすための身体の動きを想像する(テクニック)
⑤ 音のイメージを持ったまま弾く(連携)
でも今回は変奏なので
楽譜に強弱を変える指示は
ありません。
また表現については
③の音から指導するのが
自然な演奏につながりやすいです。
よくあるのは
②の「pで弾いて!」
と理論から入る方法。
これでもいいんですが
その時の生徒さんの脳内は

pにしなきゃ…
と「pで弾く」の言葉が
脳内にあります。
これって
「気をつける指示」がいつも脳内にあって
すんごいストレス。
②の理論止まりなので
自然な演奏ができないんですよね。
なので気をつけなくても
弾けるようになってほしいものです。
そのためには、


と、
・具体的なpの音
・ポツポツとした雨粒
などの音や映像を
脳内に描かせるのが大事。
特に
空想好きの生徒さんは
これがめちゃくちゃ
楽しく感じられます。
だって、
思い描いたことが音になるのです。
楽しい!
なので指導工程は
ステップ1:
③のpやfの音を聴かせる
ステップ2:
④の身体の使い方を指導
がおすすめ。
でも今回の場合、
いつもピアノアドヴェンチャーの方法で、

音や映像イメージをする
↓
テクニックが自然に使える
の⑤の連携ができるように指導をしているので、
わざわざ④の身体の使い方を指導する必要は
ありませんでした。
表現する楽しさを味わう
そして大事なのが
表現する楽しさを味わうこと。
「pで5回弾いてね!
ちゃんとできたね!えらいね!」
と努力や結果を認めるのもいいけど、
そんな先生からの評価ではなく
単純に音で遊べるのが音楽です。
そんな
・音で遊べる生徒さん
・感性豊かな生徒さん
になるようなピアノ指導をしたいです。
そのためには
魅力ポイントや遊び方を伝えたいな…
と思いました。