頭の悪い人はいない

今、教育界で盛んに言われている思考力。

「物事を深く考え、新しいものを創造できる人」
そんな人を育て、豊かな国になろう。というものです。

どういうことか?というと、

戦後の経済を支えた「文句を言わずに工場勤務ができる人」を養う教育方法から、
「色々なアイデアを出して国力を上げられる人」を養う教育になったわけです。

思考力は精神面でも役立つ

一言で「思考」と言っても広すぎて定義づけが難しいですが、
辞書によると
「ある問題の解決に向けて考えること。またその過程。」とされています。

「思考力が高い=学校の成績が良い。学力が高い。」
というイメージがありますし、事実そうです。

確かに学力が高ければ職業の選択肢が増え、
やりたいことを実現しやすいですし、
生活面でも恵まれた環境になりやすいです。

でも、思考力はこうした学習面や仕事面だけではなく、
精神面でも役立ちます。

例えば、

【トラブルになったとき】
思考力の高い人 :自分を客観視できるので、冷静な判断ができる。
思考力の未熟な人:自分や相手の悪いところしか見えなくなり、自己嫌悪になったり、怒りを抱える。

 

思考力の高い人 :視野を広く考えられるので、さまざまな考え方を受け入れられ、人間関係のストレスが少ない。
思考力の未熟な人:「自分の考えが正しい」と思い込みストレス度が高い。

 

【ストレスを感じたら】
思考力の高い人 :どんなことでストレスを感じるのか?理解しているので、どのように考えればストレスが減るか?など対策ができる。
思考力の未熟な人:対策ができず、ずっとストレスを抱えることになる

 

【上手く行かないとき】
思考力の高い人 :できない原因を考え、できるようになる方法を考え実践する。
思考力の未熟な人:原因や方法を考えないので、結局できず自信を失う。

 

【勇気を出したいとき】
思考力の高い人 :どのようなメリット、デメリットがあるか?デメリットの回避方法、どれくらいのデメリットなら大丈夫か?を考えるので行動しやすい。
思考力の未熟な人:デメリットへの対策が考えられない上に、もともと行動量が少ないので受け止められるデメリット度合いが分からず、行動できない。

 

などなど

ピアノレッスンで思考力をどのように活用するの?

ピアノレッスンにおいてももちろんメリットがたくさん。

・練習の目的を意識できるので、練習効果が高い。
・弾くたびに修正をするので、練習効率が良い。
・高度なことも理解できるので、曲への興味が深まる。
・指導者がいなくても効果的な練習ができる。
・練習効率がよいので、たくさんの曲をこなせる。

しかし、思考力が未熟だと・・・

・練習目的を見失うので、やらされ感が高まる。
・考えずに弾くので、練習が作業となり楽しくない。
・理解ができずに、曲の面白さが半減する。
・レッスンの時しか、効果的な練習ができない。
・練習効率が悪いので、曲が進まない。
・何度も同じことを言われる

などです。

私が指導してきた生徒さんを見るとこのようなタイプに分かれます。

①少しの説明で理解し、サクッとできる人。
②課題の目的、練習方法を説明すればできる人。
③目的を考えずに練習する人。
(何だか人をレベル分けしているようで嫌な感じですが、人格を否定しているわけではありません。今の学習レベルがどのような状況か?を観察したものです。)

ザックリ分けるとこのようなタイプです。

もちろん、同じ人でも
状況が変わると①になったり③になったりしますし、
まだ小さなお子さんは③が多いです。
(①もたまにいます。)

ちなみに、
小学校高学年で③の思考力が未熟な人は、学習面においても同じ。

次第に学力の差がつき、不安感から塾に行きはじめます。
でも、この思考力が未熟なままでは努力の割に効果は低いのです。
塾で忙しくなりレッスンを辞めるというケースも多いですね。

ここで誤解がないようにしておきたいのが、
「思考力が低いからダメな人」と言いたいわけではなく、

思考力が未熟→できないことが増える→自信を無くす→諦め癖がつく
という悪循環になるのが心配なのです。

思考力は養える。

そして、思考力は生まれ待ったものもあるけど、十分に養うことができます。思考が及ばないのは「未熟なだけ」です。

私は「思考力のない人はいない」「頭の悪い人はいない」と考えています。
確かに「なんで、そこ考えないかなぁ・・・」とため息をつくこともありますが、

それは
・思考をする機会がなかった。
・どう思考するのか分からない。

など訓練不足なだけです。

そこで
ピアノ学習を手助けするツールとして
「思考力を上げるようなレッスン」の必要性を感じ、

思考力も養うレッスン
ピアノアドべンチャーを使って行ってきました。

ピアノアドべンチャーの楽しさは、
曲の楽しさだけではないのです。

まだまだ試行錯誤の日々ですが、
「考えるのが楽しい!」と生徒さんからも好評ですし、

親御さんからも
「学校の先生から思考力があります。と言われました」
という声も多数いただいています。
(正直、私のレッスンで本当に思考力が高まったのか?は数値が測れないので分かりませんが、
親御さんが効果を感じて下さるのは確かです)

思考力を養うのも指導

そんな偉そうなことを言う私もまだまだ未熟さを感じますが

昔の私はもっとひどく
「あの生徒は理解力が低いから・・・」
「あの生徒はやる気がないから・・・」と
内心では生徒さん側を責めることもありました。

でも、
「思考は養って行くもの」
「ピアノを楽しむには思考方法も伝えると良いのでは?」とわかると

「まだ思考力が未熟なんだ」と捉えられ
私もストレスを感じずにすみます。

また
生徒さんの思考を想像できなかった時には
指導を見直す機会となります。

こうして生徒さんに育てていただいている日々です。

おかげさまで
生徒さんや親御さんにとっても、
安心感のあるレッスン、寄り添ったレッスンに近づいているように思います。

「ピアノ」「思考力」はあくまでもツール

このように「思考力の大切さ」をお伝えしてきましたが

「思考力を上げるためにピアノを学ぶ」

というのは
私はかなり違和感を感じます。

今、世間で言われている思考力を養うのであれば、
別にピアノでなくても養えますし
それを指導するカリキュラムはすでにたくさんあります。

それに
「ピアノが弾ける=頭が良くなる(学力が上がる)」というのも
かなり疑問です。

それは大学の偏差値一覧から音大のレベルを見ると一目瞭然。
学力は、到底「頭が良い」とは言えないレベルです。

なので私が指導するときは「目的」を意識しています。

・何のための思考力なのか?
・何のためのピアノレッスンなのか?
・その「思考力」「ピアノ」をどのように活用して生徒さんの人生を彩るのか?

いろいろな方針のお教室がありますが、

未経験の生徒さんが最初に訪れるような
街の小さなピアノ教室の役割としては、

ピアノに興味を持ってくれた生徒さんが
興味を広げ、楽しむことが大事

そのためには思考力があった方が良いのでは?と思います。

またこれからを生きる子供たちが困難に出会ったとき、
レッスンで養われた思考力が武器や手助けになると、

ピアノレッスンの社会的意義も大きくなると思います。

 

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