「練習が楽しい!」には感性が必要 〜がんばらせる前に、感じさせる〜

ピアノアドヴェンチャー2Aの
「ゆめみる午後」を弾いてる生徒ちゃん。

右手は同じメロディーが続くのに対して、
左手が5度の動き。
これによって「揺れ」を感じます。


また途中部分の6度平行も
ハモリを感じます。

その魅力を知ってる生徒さんにとっては
人気の曲です。


今日の生徒ちゃんは、その揺れを
「風が吹いてるような」イメージ
を持って弾いてみました。



その後は、いつものように移調です。

移調は、アメリカ指導では、
譜読みの力をつけるための定番手法。

書かれてる音とは違う音で弾くので、
●音符から理論を使って弾いてるか?
●その理論から音を想像しているか?

の確認ができます。

それによって「譜読みの強化」につながります。
なぜ「譜読み」に役立つのか?はこちらをどうぞ!


さて今回の曲はGメジャー(ト長調)。

それをCメジャー(ハ長調)で
移調しました。



すると生徒ちゃん、

生徒ちゃん
生徒ちゃん

風が変わった感じがする!

とイメージの違いを話してくれます。




こうした、

生徒ちゃん
生徒ちゃん

〇〇な感じがする!

先生
先生

それってイイよね!!

など、

「音楽イメージ」について話すって、
とっても豊かな時間ですね。

「指導」ではなく、
「音楽の雑談」をしてる感覚になります。





とはいえ指導なので・・・

先生
先生

じゃあ、ここ(ニ長調)だったら
どんな風に聴こえる?

生徒ちゃん
生徒ちゃん

爽やかな風!

生徒ちゃん
生徒ちゃん

え〜!じゃあ、ここだったら
どうなるんだろ?!

などと、生徒ちゃんは
前に習った5スケールポジション
を使って色々試してます。



こうして、
生徒ちゃんの好奇心を使って
5スケールを学んでもらってます。

すると遊んでるようで
ちゃんと学びのある活動ができますね。

どうしたらそんな「〇〇みたい!」と思ってもらえるのか?

とはいえ、いくら、

先生
先生

楽しいよ!

と言っても
生徒さん自身が本当に

生徒ちゃん
生徒ちゃん

楽しい!

と思ってくれないと、

生徒ちゃん
生徒ちゃん

やってみる!

とはなりません。


そのために行っているのは、
音楽の魅力(楽しさ)を伝えることです。

音楽の魅力って、
本当にたくさんありますね。

その1つが
「音が変わると、イメージが変わる面白さ」



例えば、
fだったら

先生
先生

誰の声かな?

先生
先生

何してるのかな?

とか・・・、



音域が変わったら、

先生
先生

何が起こったのかな?

など・・・。



こうして

先生
先生

音が変わるとイメージが変わる。
それって面白いよね!

をいつも伝えてます。





もちろん最初は、

5歳くん
5歳くん

わかんない・・・

とイメージが湧かないこともあります。




でも、

先生
先生

〇〇な感じにも聴こえるし、
△△な感じにも聴こえるよ!

と色々なイメージを提示すると、

5歳くん
5歳くん

あ〜たしかに!

と少しずつ自分で
想像するようになります。




また、
細かな違いを聞きわけられるので
「聴くスキル」も養えます。

すると、
「音」に対するこだわりが
強くなるんですよね。



こうして、
「音が変わると、イメージが変わる」
って面白い!楽しい!

と思う感性を養ってます。

その楽しみを知ってる生徒さんに、

先生
先生

移調するとイメージが変わるよ!
やってみない?

と誘うと、

生徒ちゃん
生徒ちゃん

やってみる!

となります。


生徒さん
生徒さん

ケーキは好きだけど、
スーパーのケーキしか食べたことがない…

という人に、

わたし
わたし

あそこのケーキ美味しいから
食べに行ってみない?

とか、、、

生徒さん
生徒さん

ショートケーキしか食べたことない…

という人に、

わたし
わたし

じゃあ、モンブランも食べてみて!

と誘う感じですね。

生徒さんも、
何かしら「音楽の魅力」
を感じてるから習いに来てます。


なので私たちの仕事は
「音楽の魅力」をさらに色々な方面から伝えること
だと思うのです。

ちなみにこれは
モチベーションを上げる学習モデル
に基づいてます。

なので、
●生徒さんの興味・関心を把握する
●今の実力を把握する


などの条件が揃えば、ほぼ全員「楽しい!」となります。


今回の場合は、

①「移調するとイメージが変わる」を知る
②「いろんな風が味わえると楽しいかも!」と思う
③「5スケールならできそう!」と思う
④「やってみたらできた!他もやってみよう!」と思う

って具合です。

どうやって音楽の魅力を伝えるのか?

じゃあ、
どうやって音楽の魅力を伝えるのか?


それは、
「ピアノって楽しいよ!」
だけでは難しいと思います。


なので、
もう少し細かく丁寧に
伝える必要があると思うんです。


音楽の魅力の1つが
「音の変化」。



さらにその中の1つが、
今回の「移調」です。


とはいえ移調って、
音符だけを読んできた人にとっては
難しいものです。




私は音大の授業で
初めて移調を行いました。

わたし
わたし

え?書いてる音とは違う音に
ずらして歌うの?!

とビックリし、
結局苦手なまま終えた記憶があります。


そもそも何のために移調するか?
もわからなかったですし。。。




でもその後、
指導法の勉強会で
「移調」を学ぶ機会がありました。

内心、

わたし
わたし

移調か…
音大の授業でやったな…
全然できなかったな…

とイヤな過去が思い出されます。




でも、やってみると…

わたし
わたし

面白い!!
調によって雰囲気が変わるのが
面白い!!

特に、ニ長調→変ニ長調などの、
#系から♭系に変わるのが
大好きです。




調性を味わうって、
本来だったら当たり前ですが、

恥ずかしながら
あまり意識したことが
なかったんですよね。

わたし
わたし

こんな味わい方があるの?!

と衝撃でした・・・

そして、

わたし
わたし

これは、ぜひ生徒さんにも
味わってほしい!

と思いました。



幸いピアノアドヴェンチャーの移調は、
鍵盤図を見て弾くステップを挟むので、
つまづくことはありません。




こうして

● 「移調」に慣れておく。
●  調の違いを感じる楽しさを伝えておく。


すると、
空想好きな生徒さんにとっては、

生徒ちゃん
生徒ちゃん

上手に弾けた!

生徒ちゃん
生徒ちゃん

間違えないで弾けた!

ではなく、

生徒ちゃん
生徒ちゃん

いろんな風や雲を想像したい!

と音楽を通じて
遊んでるような感覚になります。

このように、
「音楽の魅力」を味わいながら弾く
って楽しくないですか?



実は私も昔は、

生徒
生徒

どうしたら生徒さんは
たくさん練習するだろうか?

生徒
生徒

そうすれば
曲が弾けるようになって、
楽しい時間になるのに…

と思ってました。

そのためには、
●ご褒美プレゼントをあげたり…
●表彰したり…
●発表会やコンクールなどの目標設定をしたり…

ついには、
●コーチングを学んだり…



でも、勉強や指導を重ねるうちに


と、 むかしとは真逆の考え
になったんですよね。

なので、
●練習をしてもらうためにも
●音楽を楽しんでもらうためにも

音楽の魅力を伝えるのが
おすすめです。

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