知らない大人の方だけど
発表会の動画を見た。
よく練習してる感じ。
フレーズの歌わせ方はとてもよく
想いがつたわる演奏だった。
きっとお好きな曲だと思う。
でも残念ながら
止まりながら…間違えながら…の演奏。
普段弾けてて
「ちょっと止まっちゃった!」
ではなく、
「最近止まらずに弾けました」
って感じの音をたどったレベル。
つい指導者目線で
「あ〜本当はこう弾きたかったんだろうな…」
と思ってしまう。
もちろん色々な価値観があるので、
ご本人が
「クオリティは低くていいから
この曲が弾きたい!」だったら
それはそれで良いと思う。
でももし、
納得されてないなら
・「音をたどる」読譜方法
・「最近止まらずに弾けました」の演奏レベルは
見直した方がいい。
きっとその強い想いも
音楽表現できる。
でも
・どう譜読みするのか?
・どうすれば演奏レベルが上がるのか?
が分からないから
音をたどるだけの練習
になるんだよね。
歌おう!
例えば動画の方だったら
音名(または階名)で歌う。がおすすめ。
(まだまだたくさんあるけど、、、)
というのも「止まる」原因は
記憶した音をたどって弾いてるから。
すると「次なんだっけ?」
と思った瞬間止まる。
たしかにスラスラ弾けてる時って
音を覚えてるけど、
この「覚える」は、
音の羅列を覚えてるのではなく、
メロディーやハーモニー、リズムを伴った
音名(階名)として覚えてる。
例えばこの音を見た時
「ド・レ・ミ…」ではなく
「🎵ドレミ〜」と
音が上がるのを感じながら歌う。
歌詞のかわりに音名で歌う感じ。
よくあるのは
「ラララ〜🎵」のハミング。
これでは
何の音を弾くのか?が曖昧。
だから
「何だっけ?」となる。
なので、
なるべく正しい音程、音名(階名)
で歌うのがおすすめ。
こうしてメロディーとして歌えてると、
「次なんだっけ?」と考える前に、
自然に音名が出てくる。
まるで歌が先導してくれる感覚、
耳で弾いてる感覚になる。
とはいえ、
歌ってるつもりになってることも多い。
なので声に出して歌うのがオススメ。
理由は
①弾く準備ができてるか?の確認ができる
②覚えるのが早くなる
③忘れない
から。
理由①:弾く準備ができてるか?の確認
声に出して歌うには
声を発する前に、
・何の音か?
・どれくらいの高さか?
をアタマで想像し、喉の調子を整える
それが整ったら声に出す。
「音名で歌えない…」は、
この準備ができてないから。
なので
不用意に弾いてミスしたり、
「ミスしそう!何だっけ?」で止まる。
運転で曲がり切れず
電柱にぶつかる感じ。
コントロールが効いてなのだ。
演奏は音を鳴らす前の準備が大事。
理由②:覚えるのが早い
そもそも音を覚えるのは
耳で聴いて覚える。
そして「覚える」とは
メロディーとして覚える。
お経のように唱えたのを覚えるのではない。
でもすぐに弾けない人は
たどたどしく、流れがない。
その点、歌だけなら
まだ流れを作りやすい。
自分の声を
客観的に聴きながら歌う。
これは
アウトプットしながら
インプットを行えるので、
非常に効率が良い。
その流れのある音楽を
「耳で聴いて」覚えるのだ。
これにより
メロディーを音名で覚えるのが早くなる。
理由③:忘れない
そして大きなメリットが、
忘れない。
歴史の語呂合わせで
覚えたら忘れないのと同じように、
一度音名で歌えたメロディーは、
時間が経っても忘れない。
翌日はもちろん、
曲によっては
何十年経っても忘れない。
だから、
練習すればするほど
比例して弾けるようになる。
「昨日あれだけ練習したのに、
もう忘れてる」はない。
もし「聴いてるのに忘れてる…」
があれば、
聴く精度が
曲の難易度に足りてない。
なので聴く精度を
音名レベルではなく、
ピッチの精度を上げると
大体うまく行く。
また
「そもそも音程が分からず歌えない…」
という方もいる。
そういう方は
普段の弾く練習に加え
歌う練習をおすすめする。
いわゆるソルフェージュだ。
というわけで、
練習時間の半分を
歌に使っても損はない。
今弾いてる曲も弾けるし、
他の曲も弾きやすくなる。
だって出てくる音程は無数ではなく
大体決まってるから。
実際私のレッスンでも歌うことは多い。
このように「歌う・聴く」ができると
練習量は1/10以下な感じ。
(肌感覚だけど)
だってできる人は1回で弾けるし、
さっきも言ったけど忘れないから。
練習量に比例して
弾けるようになる。
活用しよう
こうして歌えたメロディーを活用して弾く。
でも指導してると、
せっかく歌えたのに、スラスラ弾けない…
という現象が起こる。
よく観察すると、
できるようになった歌を使わず、
いつもの記憶を頼った弾き方に
戻ってることが多い。
なかなか癖は抜けないものだな…
と思う。
今までのやり方の方が
楽に感じるからだ。
でも、
1、テンポをかなり落として
(場合によっては1音に数秒かけるくらい)、
2、アタマで歌い、
3、そのメロディーをたどるように弾くと、
音楽を感じた演奏になる。
いきなり全部はムリでも、
まずは1フレーズでいいから、
これはぜひ体験してほしい。
楽しい練習の大きな要素だから。
「練習=暗記の時間」ではなく、
「練習=音楽を感じる時間」になるから。
まだ弾けてないけど、
音楽を味わえる時間になるから。
まとめ
なのでまとめると、
止まってしまう…という場合は
「声に出して歌う」がおすすめ。
ほかにも「止まる」原因は
たくさんあるが、
歌うことで
改善されることは多いし、
その他の原因改善も、
この歌が土台になるものが多い。
「練習=暗記時間」を無くし、
「練習=音楽の時間」にしてほしい。