
たくさん練習してるのにミスが減らない

弾けるようになったのに、
発表会やレッスンになったら弾けない
この原因は、
・最初の譜読みの取り掛かり方
・普段の練習でミスした後の確認不足
にあります。
逆に、そこを改善すると
数回で弾けることも多いんですよね。
練習量とか努力不足の問題じゃないことも多いです。
そこで今回は、
・私が普段のレッスンで行っていること
・そのために何を観察してるのか?
をお伝えします。
これにより
ミスを減らす練習自体が不要になるので、
・練習不足の生徒さん
・楽器がない生徒さん
への指導が可能になります。
何かの参考になればと思います。
また今回のブログは下記の動画(一般生徒さん向け)を
ざっくり解説したものになります。
最初から詳しく知りたい!
という場合はYoutubeへどうぞ。
最初にすること

さぁ!
いまからこの曲を初めて弾こう!
という場合の手順は
1、分析
2、分析結果から音を想像しながら弾く
です。
でもいきなり弾き始めずに、
まずは基本情報を調べます。
・調性
・拍子
・構成
・和音分析 など
すると、
どんな曲の流れになってるか?
が想像しやすいのです。
知ってる曲だと弾きやすいように、
曲の流れが想像できると
格段に弾きやすくなるからです。
和音分析の方法についてはこちら↓
例えばこれはバイエル49番です。

となると分析結果はこのようになります。
・ハ長調
・3拍子
・構成(A -A1-B – A1)
・和音分析

普段の私のレッスンでは
バイエルは使ってないのですが、
前に出てる曲をザッと見ると、
おそらく3拍子の分散和音を学ぶ曲ですね。
前の48番も3拍子の分散和音が出てるので。
で、この分析結果から
音や指の動きを想像しながら弾きます。
もちろん読み取って想像できるテンポで。

でも、この方法で弾いても
慣れてないとつまづく箇所があります。
この曲の場合のつまづきポイントはここです。

(!の箇所がつまづきポイント)
これまで続いていた同じような動き
が変わるところで、つっかえます。
動きの変化に対応ができないからですね。
よくある練習方法
このように止まったりミスした場合の、
よくある練習方法は、
1、何度か弾く
2、「やっと1回弾ける」
これを「弾けた判断」して弾き進める方法。
ちなみに、後述する方法を行うと、
「しっくりくる感覚」があるので、
時間をおいても弾けることが多いのですが、
このよくある練習方法だと、
・時間を置く
・テンポが変わる
・場所が変わる
など、
何か状況が変わると
弾けなくなることが多いです。
なぜ練習したのにミスが減らないのか?
というのも、
よくある「何度か弾いて1回弾けた」の方法。
例えば
「10回弾いてやっと1回弾けた!」の場合だと、
その1回弾けるまでに
ミスをしながら9回弾くことになります。
その9回が
「ミスするための練習」になってしまうのです。
というのも、
脳は「正しいか?間違っているか?」
の判断はせず、
「何度も繰り返されたこと=重要なこと」
と判断し記憶されます。
なので、
何度もミスしながら繰り返し練習したのは、
「練習してるのにミスが減らない」どころか、
「ミスを定着させるための練習」になるのです。
しかも、
一度定着したのを変えるのは、
大体4〜5倍かかると言われています。
なので、闇雲に練習しても
ミスは減らないんですよね。
その結果、
・わかってるのに間違える
・たくさん練習してるのにミスが減らない
・弾けるようになったと思ったけど、発表会などでは上手く行かない…
になる。
これでピアノを挫折する方が本当に多く残念に思います。
では、
ミスが少ない人の練習方法は、
どうしてるのでしょうか?
ミスしない人の練習方法
分析をする
ミスが少ない人は 、
1、分析をする
2、分析結果から音や指の動きを想像しながら弾く
(音や指の動きを読み取れる速さで弾く)

は先ほどと同じです。
となると
1、読めるテンポを決めて
2、3拍子を感じながら、
3、和音の移り変わりも感じ、
4、縦の音の組み合わせを予測し、
5、リズムパターンも読みながら弾く。
を同時に読みながら弾きます。

とはいえ、
間違えることもあるし、
想像できないこともありますね。
そんな時は、止まって確認をします。
(但し、「通そう!」の時は、ミスしても止まらないで弾く)
ミスした時に確認すること
ミスをしたら、
1、どうなってるか?(現状把握)
2、なぜそうなるのか?(原因を探る)
3、どうすれば良くなるか?(改善策を考える)
を考えます。
ちなみにこの考え方は私オリジナルではなく、
一般的な考え方をピアノ指導に取り入れただけです。
ぜんぜん珍しいものではありません。
例えば、今回
この「Ⅴの和音」のところでつっかえたとしましょう。

この場合、「つっかえた」と言っても、
どんな現象になるのか?によって原因は変わり、
それに応じて改善策も変わります。

この場合、考えられるミスは、
・右手がミになる
・左手がドになる
・ミスはしないけど止まる
です。

考えられる原因と改善策は?
そして考えられる原因は
だいたいこれらのどれか。
・音が読めてない ①
・仕組み(理論)がわかってない ②
・音が想像できてない ③
・指の動きが馴染んでない④
・音が指より先行してない⑤

なので、これらの視点から原因を探ります。

例えば、左手がドになる原因は、
・音が読めてない
・なぜシなのか?がわかってない
・和音の移り変わりを聴けてない
・音は読めるけどシの音程を想像できてない
・指の動きがわかってない などが考えられます。

それぞれの、改善方法を見ていきましょう。
原因:音符が読めてない

まず音符が読めてないのは、
絶対的な音も読みつつ、和音を考えます。
元々の和音が何か?を考えて、
バスの動きを読むと、
単に「2度下の音を弾く」
の考えで弾けることが多いです。

「ソ→シ」の6度で考えると
遠く感じて指の動きが大きくなりがちですが、
バスの音(つまり5番の指の動き)だけに注目すると楽です。
原因:なぜシなのか?がわかってない

なぜここに「シ」が使われるのか?は、
ここはⅤの和音です。
Ⅴの和音は不安定な感じの役割があり、
その不安定さを出すために、
このシの導音が使われています。

原因:和音の移り変わりを聴けてない

とはいえ、
シの不安定さを感じてないと、
いくら理論を知ったところで弾けません。
仮に理論を知らなくても
感じてれば弾けることも多いので
「感じる」が大事。
ではどうすれば感じられるのか?
そんな場合は、
分散和音を一旦和音で鳴らします。

そして縦の和音を聴きつつ、
Ⅰの落ち着き、Ⅴの不安定の特徴の移り変わりを
横に聴きます。
その時、
鳴らした後の音を聴くのが大事なので、
ゆっくりと耳で覚えるように弾きます。
すると
Ⅴの和音の不安感のある和音を感じやすくなります。
聴き方のコツはこちら↓
原因:音は読めるけど音程を想像できてない


音は読めるし、理論もわかった。
でも音が想像できない…
という場合は、
和音を弾きながら一番下の音を歌いましょう。

今回の場合は「ドとシ」ですね。
左手を歌うって難しいのですが、
この「歌う」という行為をすることで、
「どれくらいの高さかな?」を考えますよね?
これが「想像する」「よく聴く」です。

よく聴いて!
とざっくり伝えるのではなく、
何を聴くのか?を伝えることが大事です。
なのでこの場合
「ただ音名が言える」ではなく、
ドとシの半音の距離を感じながら歌います。
原因:指の動きがわかってない


音も読めるし想像もできる。
でもなぜかドになってしまう…
それは鍵盤の感覚や距離感が
わからないのかもしれません。
すると、
動かしたつもりが、思ったほど動いてない。
ということがあります。
そんな時は、
どれくらい動かせば隣にあるシを鳴らせるのか?
を指で探ります。
今回、5番の指を隣に移動させるのですが、
この場合5番の指だけでなく、
2345の指をセットで移動させます。
この時、長い指の234で黒鍵の凹凸を探ると
鍵盤の感覚を掴みやすいので、
安心して移動ができます。
頭と耳を使った練習は応用が効く
このように、
上手く行かないところには、
必ず原因があります。
なので弾けない原因(ミスの種)を
初期段階で無くしておくんですよね。
すると、
「練習のほとんがミスを減らす練習」
になりません。
とはいえ、
こうした1音1音に向き合った練習は
大変に思うかもしれませんね。
でも、
「たくさん練習したのに
効果ができるかわからない場当たり的な練習」よりも、
ちゃんと楽譜を理解しながら、
音も聴いた練習方法は、
他の曲へ応用が効くのです。
同じ努力するなら
「場当たり的な練習」ではなく、
根本解決になる練習の方が
落ち込むことも少ないんじゃないかな?
と思います。
ちなみにこちらの動画は
今回の内容を実際に弾いて解説したものです。
他の現象の原因や改善策もご紹介していますので
よかったらどうぞ!
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