ある生徒ちゃん。
クレメンティのソナチネを弾いてます。

(ピアノアドヴェンチャー 4&5より引用)
なんですが、

練習したんだけどね…
あんまり弾けない…
とのことでした。

あれ?おかしいな…

生徒ちゃんにとっては
そんなに難しくないんだけどな…

これくらいだったら
初見で弾けるんだけどな…
と思いながら聴くと、
どうも弾くテンポが
速いようです。
弾くテンポが速いと
次の音符を読めない
↓
情報を読めない
↓
つっかえる・・・
となる。
次の情報ってこんなことです。
・リズムは?
・何の音?
・何番の指で弾く?
・左手はどうなってる?
・どこの鍵盤弾くの?
・どんな音色か?
などなど。
いろいろありますね。
何を優先して読む?
そこで
間違えそうになったら
何を優先させるか?
をお伝えしました。
もちろん
・曲のレベル、スタイル
・生徒さんの獲得スキル
などにもよりますが
だいたいコレ。
(あくまでも譜読みの段階の話です。
表現段階は、少し変わります)

1、一定拍(ビート)をキープ
2、拍子を感じる
3、リズムパターンを読む
4、和音を想像する
5、メロディを想像する
の順。
間違えそうになったら
1→5の順でがんばります。
(よくあるのは
5→1の順ですかね…?)
例えば、
音は間違えてもいいから
リズムはがんばる。
という感じ。
これでやってみて
つっかえる階層があったら、、、
例えば
1、拍
2、拍子
3、リズム
は守れたけど
4、和音を間違えた
だったら、
和音を想像することに課題がある。
ということが分かります。
ちなみに、その場合は
・和音分析をする(理論)
・和音の機能を確認する、聴く(聴く)
・指の動きを確認する(テクニック)
の面から原因を探り
それぞれ指導します。
ゆっくり練習で意識することは?
というわけで
生徒ちゃん。
いつも初見で行ってるように
ゆっくりですが、
慎重にこれらを守りながら
1回弾きました。
そのとき大事なのが
弾きながら音を聴くこと。
「ゆっくり」というと、
単に「音を伸ばしながら弾く」
に留まってるケースが多いですが、
実は、
ゆっくり弾きながらも
これらのことを
同時処理してるので
めちゃくちゃ疲れるんです。
そもそも
「ゆっくりで弾く」が疲れますよね。
でもゆっくりで弾くことで
「楽譜・指・音」の連携が
作られます。
連携ができると

弾けた!わかった!
って、「手応え」を感じるので

練習して弾けたのに
弾けなくなった…
というのがない。
すると

間違えるかも・・・
と、譜読みへの不安がないので

〇〇に弾きたい!
と自分の音楽表現に集中できます。
なので私は
この連携を作るのを
譜読みの目標にしてます。
単に、

何百回も弾いたら
弾けたよ!
など回数をこなして
自然にできるのを待つのではなく、
さいしょから
「連携」を目指して読む。
ということです。
この「連携」ができると
2回目以降は
速く弾いても崩れないんですよね。
でも、生徒さんは
何を意識すればいいか?は
わからないもの。
そこで
・何を意識するのか?
・何を優先するのか?
を伝えると
弾けることが多いです。
生徒ちゃんも

めっちゃ弾ける!!
と笑顔。
「練習したけど弾けない…」
って言ってた生徒ちゃんでしたが
練習量の問題じゃ
なかったですね。
笑顔が戻ってよかったです。
ちなみにこの優先順位は
ピアノアドヴェンチャーに出てくる
内容に沿ったものです。
やっぱり順番って大事だな…
と思いました。
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