60代生徒さん。
ピアノアドヴェンチャーの
大人用を使ってます。
その中に出てくる「The Lion Sleeps Tonight」。
たまにCMにも使われる曲です。
この曲では6度という音程を学びます。
6度ってきれいな響きがするので、
6度の理論はわからなくても
心地よく感じる人は多いです。
(というか、嫌いな人いないと思う)
今日の生徒さんも
楽譜通りにはよく弾けてます。
でもなんだか納得してなさそう…
そこで感想を聞くと
メロディーを目立たせたくて、
左手を静かにしたかったけど、
上手く行きませんでした…
おお!
単に「正しく弾けた!」じゃなく、
ちゃんと音楽を表現しようとしてる!
音の羅列では音楽を感じられませんからね…
しかも音をよく聴いてますね。
聴いてるからこそ
未熟さが分かるのは
ちょっとイヤだけど、
「できてない…」があると
成長が早いのでいい傾向です。
では素敵な演奏に仕上げましょう。
どんな演奏がおすすめ?
たしかに、
この曲は右手がメロディー、左手が伴奏。
なので、
右手(メロディー):大きく
左手(伴奏):小さく
という、左右で音のバランスを
気をつけながら弾くのもいいかも…
でもここは、不完全和音。
左右合わせて一つの和音
になるところです。
なので
左右で分けて考えるのではなく、
「3つの音で1つの和音を作る」
と考える。
そして弾く時は、
それぞれの指を人に見立て
3人が気持ちを合わせるつもりで
同時に鳴らす。
するとハーモニーを感じられます。
ハーモニーとは「音の重なり」。
音が重なるって、
カラオケでハモる感覚です。
それって気持ちよくないですか?
ピアノの場合は
それを1人でできちゃうんです。
しかも今回は
3つの音なので3人ですね。
カラオケだったら
かなり豪華なハモり。
それを味わないなんて
もったいないと思いませんか?
ぜひ味わってほしいです!
生徒さんにも感想を聞くと
おお!いい感じですね。
先生が弾いた方がいいです!
ということなので、
どうしたらそんな表現が弾けるか?
の指導に入ります。
どうやったらハーモニーを感じた演奏になるの?
とはいえ、
そろえて弾いてね!
ちゃんと音を聴いてね!
といってもなかなか難しいもの・・・
どうやって鳴らすのか?
のテクニックが分からないし、
鳴らせたとしても
生徒さん自身がその音を味わえてないと
意味がない。
そこで色々確認をします。
【1-01】理論・音の確認 (和音の確認)
まずは和音の確認。
例えばこの和音(赤丸)は、右手ソ 左手レシなので
これを3度音程に
並べ替えるとソシレ。
なのでGコードです。
これは生徒さんもふだん行ってるので
サラッと確認。
【1-02】理論・音の確認 (各音程の確認)
次は音程の確認。
今回は、
3音同時に鳴った音を聴くのが
目的だけど、
そのためには
「音の重なり」を感じるのが大事。
そこでまずは
2音ずつ確認です。
《①下2つ:レシの6度》
これは今回の課題の6度です。
同時に音も確認しましょう。
心地よい感じがします。
低い音域なので
温かみも感じるかもしれません。
でも音の印象は人それぞれ。
私の印象も伝えつつ
生徒さん自身にも考えてもらいます。
もちろん言語化できなくてもOK。
ご自分なりの
「あ、こんな感じ」があればOKです。
だけど言語化できた方がいい。
「言語化しなきゃ!」という意識があると
音をよく聴こうとするから。
《②上2つ:シソの6度》
わかりにくいけど、
実はここにも6度があります。
なのでこれも心地よい感じがします。
先ほどの音域よりは高いので
また違った印象になりますね。
少しスッキリした感じでしょうか。
《③上と下の外声(がいせい):レソ》
これはちょっと好みが分かれるかもしれません。
でも音が離れてるので、
広い感じがします。
この音の広さを感じるのが大事。
こうして2音ずつ弾いて、
音程の印象をそれぞれ聴いて確認します。
【2】テクニック確認 (手首関節メインの動き)
そして今きいた音程を想像しながら、
生徒さんにも弾いてもらいます。
ここで使う主なテクニックは
手首関節をメインに動かすテクニック。
ピアノアドヴェンチャー用語だと
「丸い手」です。
(全音楽譜出版社HPより引用)
手順は、
1、丸い手を鍵盤に置く
2、そして手首を上げ
3、手首関節をメインで弾く
(指関節は使わない)
するとボーンと部屋中に音が広がり、
音に包まれる感覚になる。
おお!いい感じです。
ちなみに指関節がメインだと
指先で突くことになり、キツイ音になります。
そして理想の音が鳴ってるか?
を自分の耳で確認。
違ってたら
理想の音へ近づけるために
身体の使い方を微調整します。
こうして
自分の音を聴きながら
弾き方を調整します。
これがよいテクニック練習ですね。
生徒さんも
普段このテクニックはできているので
数回の微調整で弾けました。
【3】実践 (3音を聴きながら弾く)
そしてやっと3音。
もう一度、
2音と3音を聴き比べてもらいます。
もちろん3音のほうが2音よりも
厚みや幅広さを感じるのですが
先ほど2音を聴いたので
音も細かく感じられます。
ただのカレーと思ってたけど、
辛味、甘味、旨みなども味わえる感じ。
こうして聴く力も養っていきます。
生徒さんにも
その3音のハーモニーを想像しながら
弾いてもらいました。
もちろん
これも1回では鳴らせなかったので
理想の音を想像しつつ
現実の音も聴いて
テクニックを微調整。
数回弾くと
きれいなハーモニーが
聴こえるようになりました。
おお!いい感じ!!
こうして和音が鳴る度に
音の広がりを感じられると、
自分の演奏にプチ感動できるので
オススメです。
というか和音を味わえてないって
もったいなさすぎる!!
こだわりのカレーなのに
早食いで食べちゃったみたいな…
なので
このように「音楽を読む譜読み」
をおすすめしてます。
生徒さんも
今日の聴き方は収穫でした!!
とのご感想でした。
こうしていろんな聴き方を知って
練習を楽しんでほしいと思います。