おざきピアノ教室https://ozaki-lesson.comピアノアドヴェンチャーを使ったレッスン例をご紹介しています。Sat, 27 Apr 2024 13:35:08 +0000jahourly1https://ozaki-lesson.com/wp-content/uploads/2020/06/cropped-ト音記号羽-32x32.jpgおざきピアノ教室https://ozaki-lesson.com3232 止まるのはなぜ?どうしたらいいの?https://ozaki-lesson.com/dairy/1751/https://ozaki-lesson.com/dairy/1751/#respondMon, 22 Apr 2024 11:42:00 +0000https://ozaki-lesson.com/?p=1751

知らない大人の方だけど発表会の動画を見た。 よく練習してる感じ。 フレーズの歌わせ方はとてもよく想いがつたわる演奏だった。 きっとお好きな曲だと思う。 でも残念ながら止まりながら…間違えながら…の演奏。 普段弾けてて「ち ... ]]>

知らない大人の方だけど
発表会の動画を見た。

よく練習してる感じ。

フレーズの歌わせ方はとてもよく
想いがつたわる演奏だった。

きっとお好きな曲だと思う。

でも残念ながら
止まりながら…間違えながら…の演奏

普段弾けてて
「ちょっと止まっちゃった!」
ではなく、

「最近止まらずに弾けました」
って感じの音をたどったレベル。

つい指導者目線で
「あ〜本当はこう弾きたかったんだろうな…」
と思ってしまう。

もちろん色々な価値観があるので、

ご本人が
「クオリティは低くていいから
この曲が弾きたい!」だったら

それはそれで良いと思う。

でももし、
納得されてないなら

・「音をたどる」読譜方法
・「最近止まらずに弾けました」の演奏レベル

見直した方がいい。

きっとその強い想いも
音楽表現できる。

でも
・どう譜読みするのか?
・どうすれば演奏レベルが上がるのか?

が分からないから

音をたどるだけの練習
になるんだよね。

歌おう

例えば動画の方だったら
音名(または階名)で歌う。がおすすめ。
(まだまだたくさんあるけど、、、)

というのも「止まる」原因は
記憶した音をたどって弾いてるから。

すると「次なんだっけ?」
と思った瞬間止まる。

たしかにスラスラ弾けてる時って
音を覚えてるけど、

この「覚える」は、
音の羅列を覚えてるのではなく、

メロディーやハーモニー、リズムを伴った
音名(階名)として覚えてる

例えばこの音を見た時

「ド・レ・ミ…」ではなく
🎵ドレミ〜」と
音が上がるのを感じながら歌う。

歌詞のかわりに音名で歌う感じ。

よくあるのは
「ラララ〜🎵」のハミング。

これでは
何の音を弾くのか?が曖昧。

だから
「何だっけ?」となる。

なので、
なるべく正しい音程音名(階名)
で歌うのがおすすめ。

こうしてメロディーとして歌えてると、
「次なんだっけ?」と考える前に、
自然に音名が出てくる。

まるで歌が先導してくれる感覚
耳で弾いてる感覚になる。

とはいえ、
歌ってるつもりになってることも多い。

なので声に出して歌うのがオススメ。

理由は
①弾く準備ができてるか?の確認ができる
②覚えるのが早くなる
③忘れない

から。

理由①:弾く準備ができてるか?の確認

声に出して歌うには

声を発する前に、

・何の音か?
・どれくらいの高さか?

をアタマで想像し、喉の調子を整える


それが整ったら声に出す。

「音名で歌えない…」は、
この準備ができてないから。

なので
不用意に弾いてミスしたり、
「ミスしそう!何だっけ?」で止まる。

運転で曲がり切れず
電柱にぶつかる感じ。
コントロールが効いてなのだ。

演奏は音を鳴らす前の準備が大事。

理由②:覚えるのが早い

そもそも音を覚えるのは
耳で聴いて覚える。

そして「覚える」とは
メロディーとして覚える

お経のように唱えたのを覚えるのではない。


でもすぐに弾けない人は
たどたどしく、流れがない。

その点、歌だけなら
まだ流れを作りやすい。

自分の声を
客観的に聴きながら歌う。

これは
アウトプットしながら
インプットを行えるので、
非常に効率が良い。

その流れのある音楽を
「耳で聴いて」覚えるのだ。

これにより
メロディーを音名で覚えるのが早くなる。

理由③:忘れない

そして大きなメリットが、
忘れない。

歴史の語呂合わせで
覚えたら忘れないのと同じように、

一度音名で歌えたメロディーは、
時間が経っても忘れない。

翌日はもちろん、
曲によっては
何十年経っても忘れない。

だから、
練習すればするほど
比例して弾けるようになる

「昨日あれだけ練習したのに、
もう忘れてる」はない。

もし「聴いてるのに忘れてる…」
があれば、

聴く精度が
曲の難易度に足りてない。

なので聴く精度を
音名レベルではなく、

ピッチの精度を上げる
大体うまく行く。

また
「そもそも音程が分からず歌えない…」
という方もいる。

そういう方は
普段の弾く練習に加え
歌う練習をおすすめする。

いわゆるソルフェージュだ。

というわけで、

練習時間の半分を
歌に使っても損はない。

今弾いてる曲も弾けるし、
他の曲も弾きやすくなる。

だって出てくる音程は無数ではなく
大体決まってるから。



実際私のレッスンでも歌うことは多い。

このように「歌う・聴く」ができると
練習量は1/10以下な感じ。
(肌感覚だけど)

だってできる人は1回で弾けるし、
さっきも言ったけど忘れないから。

練習量に比例して
弾けるようになる。

活用しよう

こうして歌えたメロディーを活用して弾く。

でも指導してると、

せっかく歌えたのに、スラスラ弾けない…
という現象が起こる。

よく観察すると、
できるようになった歌を使わず、

いつもの記憶を頼った弾き方に
戻ってることが多い。

なかなか癖は抜けないものだな…
と思う。

今までのやり方の方が
楽に感じるからだ。

でも、
1、テンポをかなり落として
(場合によっては1音に数秒かけるくらい)、

2、アタマで歌い、
3、そのメロディーをたどるように弾くと、
音楽を感じた演奏になる。

いきなり全部はムリでも、
まずは1フレーズでいいから、
これはぜひ体験してほしい。

楽しい練習の大きな要素だから。

「練習=暗記の時間」ではなく、
「練習=音楽を感じる時間」になるから。

まだ弾けてないけど、
音楽を味わえる時間になるから。

まとめ

なのでまとめると、
止まってしまう…という場合は
「声に出して歌う」がおすすめ。

ほかにも「止まる」原因は
たくさんあるが、

歌うことで
改善されることは多いし、

その他の原因改善も、
この歌が土台になるものが多い。

「練習=暗記時間」を無くし、
「練習=音楽の時間」にしてほしい。


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https://ozaki-lesson.com/dairy/1751/feed/0
移籍してきた生徒さんの特徴https://ozaki-lesson.com/dairy/1738/https://ozaki-lesson.com/dairy/1738/#respondThu, 18 Apr 2024 02:55:36 +0000https://ozaki-lesson.com/?p=1738

よくこんなお話を聞く。 実はそんな生徒さんがウチに移籍してくる。 そして体験レッスンで「前の教室の発表会で弾いたので…」とその曲を弾いてもらうと ①楽譜見てるけど丸暗記。②単に音を辿ってるだけの表現。 だいたいこのパター ... ]]>

A先生
A先生

4歳で〇〇が弾けた。
でも発表会で辞めた。

よくこんなお話を聞く。

実はそんな生徒さんが
ウチに移籍してくる。


そして体験レッスンで
「前の教室の発表会で弾いたので…」
とその曲を弾いてもらうと

①楽譜見てるけど丸暗記。
②単に音を辿ってるだけの表現。

だいたいこのパターン。

ちなみにウチと同じように
移籍生徒さんの特徴を聞いても
コレです。

①:楽譜見てるけど丸暗記

①楽譜見てるけど丸暗記は、
譜読みができてないのが原因。

初見レベルと 
曲の難易度が
違いすぎるのだ。

不思議なことに
「これは何の音?」と尋ねると
分かってる人も多い。
(分かってないのも多いが)


でも音符読めるのに
弾けないのは
譜読み方法を知らないからだ。

なので生徒さんは、
何度も弾いて
運動感覚で覚える。
という丸暗記の手段をとる。

すると生徒さんにとっては
「練習=暗記の時間」になる。

これって、
意味の分からない英文を
ひたすら暗記するのと同じ。

かなりツラい作業だ。

いくら好きな曲でも
そりゃ嫌になる…

②:単に音を辿ってるだけの表現

これは
生徒さんの価値観にもよると思う。

「正確に弾く」
価値を感じる生徒さんは

少々音楽性が乏しくても
満足感はあると思う。
(本来そうではないけど)

でも
元々音楽性の高い生徒さんにとっては

「音楽をしたい」
という価値観があるので
①の暗記練習が耐えられない。

だから
「練習が楽しくない…」となり
辞める。

でもまずは読譜でしょ?

先生からは

A先生
A先生

え?!
でも曲が弾けてないと
音楽的に弾けないでしょ?!


と言われそうだ。

その考えも分かる。
私もそうだったから。

でも
ピアノアドヴェンチャーを使うようになって
その考えは無くなった。

というのも
・ヒヨコが歩く音
・トラの大きな声

など強弱記号を知らなくても
表現できる
事を知ったから。

いや、「表現」の概念が変わった。
というのが正しいかも。

表現って?

それまでは
「表現=強弱記号を守る」と
思ってた。

違う。
頭の中で想像したのを
音として鳴らすのを表現という。

「p=小さな音で弾く」
ではなく、

・ヒヨコが歩く音
・星がキラキラする音
・雪が降ってる音
・そよ風が吹く音

などを音として鳴らすのだ。

こうして育った生徒さんの演奏は
「楽譜通り正しく弾きました」
ではなく、

とても自然な演奏になる。

仮にテクニックが未熟で
拙い演奏になったとしても

なんか「伝わる演奏」になる。

なので
曲が弾けてなくても、
読譜ができてなくても、

音楽を表現することは
可能なのだ。

その時の子供達の表情は
本当にキラキラしてる。

私は読譜には
少々こだわりがあるが

正確に弾ける。とか
難しい曲が弾ける。とか
「達成感」を味わって欲しい。とかは

その後の話だ。

なのでいくら
「発表会で〇〇が弾けた!」
と言っても

生徒さんにとって
・曲の難易度が適正だったか?
・音楽を味わえたか?
がないと

ピアノを弾く意義を感じず
「練習大変…辞める…」となる。

移籍してきた生徒さんのその後

ちなみにコレ↓は
移籍してきた生徒さんの楽譜。

曲の難易度は
かなり低くなったが、

・曲を聴いてイメージする
・自分で強弱記号を考える
・そう弾くとどんな音楽になるのか?を想像する

など、
自分でどんどん
音楽を表現してる。

先日も連弾してて
いきなりpで弾いた!!

私

え?なんでpにするの?

生徒
生徒

だって、雲の上走ったら楽しそうだから!

のぼるって書いてるし!

といった感じで
毎回楽しませてもらってる。

前の先生には少なくとも
・ピアノ好き!
・大変だったけどやっぱり習いたい!

という気持ちは残してもらえたので
その点ではお礼を言いたい。

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https://ozaki-lesson.com/dairy/1738/feed/0
即興すると、練習時間が短縮できるhttps://ozaki-lesson.com/pianoadventure/america/1728/https://ozaki-lesson.com/pianoadventure/america/1728/#respondThu, 11 Apr 2024 03:21:25 +0000https://ozaki-lesson.com/?p=1728

ピアノアドヴェンチャーによく出る即興。 即興は日本では馴染みがありませんがアメリカ指導ではメジャーな指導方法です。 私は毎回のレッスンで行ってます。 この即興で養えるのは「弾きながら次を考える」ということ。 というのも ... ]]>

ピアノアドヴェンチャーによく出る即興。

即興は日本では馴染みがありませんが
アメリカ指導では
メジャーな指導方法です。

私は毎回のレッスンで行ってます。

この即興で養えるのは
「弾きながら次を考える」
ということ。

というのも

譜読みに時間がかかる人の特徴は
・音符から次の情報(音、指の動き)を読めてない
・その情報に瞬時に対応できない

です。

譜読みが早い人に比べて
頭の働きが鈍いのです。
(もちろん教わってないからできないのは
仕方がないのですが)

でも即興だと
・次のことを考える
・止まらずに行う
を同時進行で行うので

頭の使い方が上手になります。

すると
楽譜通りに弾くのが
メチャクチャ楽。

だって自分で考えなくても
やることは書かれてあるから。

なので譜読みは早いのです。


しかも自宅練習いらないし
連弾で楽しいし
生徒さんにとっては大人気。

「ちゃんと考えて!」
「ちゃんと気をつけて!」
なんて言わなくても

それを半強制的に行えるのです。

このように
アメリカ指導では定番の即興。

今回は
4拍子のリズムパターンを
使いこなせるのか?
を確認するために行ないました。

即興内容

●提示されたリズムを使う
●そのリズムに適当にメロディーをつけて弾く。
●片手ずつ弾く
●リピートするたびに左右入れ替える。

これにより
「次はこのリズムにしよう」と、
私の伴奏に合わせて行うので
脳はフル回転です。

サボってる暇はありません笑

なので 楽譜通りを何度も行うよりも
即興をした方が
はるかに練習効果が高いのです。

こうした頭の使い方を
毎回のレッスンで行うので

練習時間が取れない生徒さんでも
初見力が上がり譜読みは早いです。




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https://ozaki-lesson.com/pianoadventure/america/1728/feed/0
好きな曲で復習、予習をすると楽https://ozaki-lesson.com/pianoadventure/level-a/1697/https://ozaki-lesson.com/pianoadventure/level-a/1697/#respondWed, 03 Apr 2024 23:14:16 +0000https://ozaki-lesson.com/?p=1697

はじめてのピアノアドヴェンチャーレッスンブックA 「ミスターマウスのパーティー」。 人気の曲なのでもう一回弾く!という場面が多い曲です。 そんな時、同じように弾くのもいいけど指導者としては「何かを学ばせたい!」と思うもの ... ]]>

はじめてのピアノアドヴェンチャー
レッスンブックA
「ミスターマウスのパーティー」。

人気の曲なので
もう一回弾く!
という場面が多い曲です。



そんな時、同じように弾くのもいいけど
指導者としては
「何かを学ばせたい!」と思うもの。

生徒にとっても
ほんの少しの変化要素があると
飽きずに「もう一回弾く!」となります。

何を学ばせるの?

そんな時
「どんな学びをさせるか?」は
・今までの復習
・次の予習

がおすすめ。

例えば
本来この曲は

・ドレミ鍵盤
・4分音符、2分音符のリズム
・234指

の連携を行う曲ですが


今回は今まで学んだ

・p(小さな音)
・ドレミの鍵盤探し
・ドレミでメロディー即興

を使ってアレンジしました。

こんな感じです。

1回目:楽譜通り
2回目:p(小さな音)
エンディング:ドレミを使った即興
(2回目、エンディングがアレンジ部分)


どんなことを養えるのか?(指導のねらい):2回目(p)

2回目:pの場合、
イメージが先行したテクニック練習です。

先生
先生

今度、2回目はpで弾いてみよう!
こんな感じだよ(弾く)

先生
先生

パーティーで何が起こったんだろう…?
夜になって眠くなったのかな?

生徒
生徒

(イラストの)ネコが泣いてるから
パーティーに入れなくて
寂しいのかも…

先生
先生

そっか!
そりゃ悲しいよね…
そんな気持ちで小さな音を弾いてみよう!


表現は
「pだから弾く」ではなく

イメージが先行し
そのイメージを表現するために
pで弾く
のが自然。

すると
頭の中のイメージが音として鳴らされるので
楽しいのです。

どんなことを養えるのか?(指導のねらい):エンディング(ドレミでメロディー即興)

エンディング:ドレミを使ったメロディー即興
の場合、
ドレミ鍵盤の復習です。

でも真の目的は
頭を使わせること

というのも譜読みは
音符からメロディーや指の動きを
次々読み、即時反応します。

でも練習が必要…というのは
読んだ瞬間、反応できないからです。
つまり脳がサボってるのです。

脳がサボって
すぐに弾けないから
練習が必要になるのです。


ちゃんと必要な情報を読み、
指に命令が行けば初見できるので

そもそも何度も
覚えるまで練習する必要はありません。


なので練習習慣のないアメリカメソッドは
即興を行うようになっています。


このように
頭を使わせながら
今回の即興で養われるのは

・弾きながら、次に移動したいドレミ鍵盤を探す

・ドレミを使ったメロディーを考える

・上記を拍に合わせて行う

・様々なメロディーにより、指の動きが養われる

しかもこれらを同時処理するので
脳内はフル回転です。


というわけで今回のアレンジでは

・次のことを考える頭の使い方
・イメージ先行の表現
・様々な指の動き
・ポジション移動

を行いました。

すると次の曲を弾く時、
初見で弾けるくらい楽なのです。

なので「もう一回弾く!」と
何度も弾きたがる曲は
変奏ネタを持っておくのがオススメです。

すると
遊んでいるようで
実は様々なことを身につけるレッスン
ができます。




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https://ozaki-lesson.com/pianoadventure/level-a/1697/feed/0
どこを弾いてるか分からなくなるのはなぜ?(模倣の場合)https://ozaki-lesson.com/dairy/1683/https://ozaki-lesson.com/dairy/1683/#respondTue, 26 Mar 2024 01:05:50 +0000https://ozaki-lesson.com/?p=1683

ピアノアドヴェンチャーのアッチェレレイテッドシリーズで「聖者の行進」を弾いてる生徒ちゃん。 同じメロディーが繰り返されるだけなのにね…混乱するようです。 でも演奏を聴くと、本来4拍伸ばす音が1拍で終わってます。 昔だった ... ]]>

ピアノアドヴェンチャーの
アッチェレレイテッドシリーズで
「聖者の行進」を弾いてる生徒ちゃん。

生徒
生徒

どこを弾いてるか分からなくなるの…

同じメロディーが
繰り返されるだけなのにね…
混乱するようです。

なぜ混乱するの?


でも演奏を聴くと、
本来4拍伸ばす音が1拍で終わってます。


昔だったら、
「ちゃんと4拍伸ばしてね!」だったけど

そもそもなぜ1拍になるのか?
を考えると

原因は「聴き方」です。

おそらくこんな感じ。

これは分からなくなる…

では
どうしてこんな聴き方になるのでしょうか?


根本的原因は、
2人の人が歌ってるように
聴けてないから
です。

模倣とは?

そもそもこの「聖者の行進」は
「パターンを模倣する」を学ぶ曲。

子供向けのベーシックシリーズの「聖者の行進」は、「パターンを繰り返す」という手法を学びますが、
アッチェレレイテッドやアダルトシリーズでは、「パターンを模倣する」を学びます。


「パターンを模倣する」とは、
片方のメロディーを
もう片方の手で真似する方法。

2人が掛け合いをしながら歌うように弾く方法です。


このスキルは
後にポリフォニーや
インベンションにつながりますし

立体的な表現の土台になります。

今回の生徒ちゃんは、
ちゃんと楽譜を見ながら演奏していますが、

先のように
左右のメロディーが合体した聴き方をしてるので

どこを演奏しているのかが
分からなくなるようです。

2人が歌ってるのではなく
1人で歌ってる感覚なんですね。


なので
「4拍伸ばしてね!」の指示だけで
4拍伸ばせたとしても


「模倣」を体験しながら演奏できないと、
この曲を学ぶ意味はありません。

ですので、
「模倣」を習得(または体験)するための
指導をします。

どうやって模倣を体験するの?

模倣を身につける段階はさまざまですが、
今回は「2人が歌っているような感覚」
を体験することが目標。

つまり、
「片方のメロディーを聴きながら、もう片方を演奏する」
ということです。


でも、この聴き方は慣れるまで難しく、
「聴いてね!」の指示だけでは弾けないもの。

なので
・「聴いてる」とはどういう状態か?
・どうすれば聴けるか?

を指導する必要があります。

今回の曲では、
重要なのは2小節目。

左手:伸ばす音を聴きながら
右手:別の旋律を演奏する

部分です。


左右ともにメロディーだったら
難しいですが、

今回のように
片方が伸びてるだけなら
まだ弾きやすいです。


ですので、
この易しい段階で「二人が歌っているような感覚」

つまり、
自分がメロディーを歌ってる時、
他のメロディーも聴こえてくる感覚

を養っておきたいですね。


そこでオススメなのが、
歌う練習。

実はこの後、2人で歌のアンサンブルをするので
つられないように歌える必要があります。

なので先生は
両手で楽譜通りに演奏しながら、
生徒と一緒に歌います。

指導手順

1、右手を歌う
  (歌に集中)

2、左手を聴きながら右手を歌う
  (歌いながらも他方のメロディーにも耳を傾ける)

3、左手を歌う
  (歌に集中)

4、右手を聴きながら左手を歌う
  (歌いながらも他方のメロディーにも耳を傾ける)

5、先生:左手を小さな声で歌う 生徒:右手を歌う
  (先生の小さな歌につられずに自力で歌えるか?を試す)

6、先生:左手を大きな声で歌う 生徒:右手を歌う
  (先生の大きな歌につられずに自力で歌えるか?を試す)

7、先生:右手を小さな声で歌う 生徒:左手を歌う
  (先生の小さな歌につられずに自力で歌えるか?を試す)

8、先生:右手を大きな声で歌う 生徒:左手を歌う
  (先生の大きな歌につられずに自力で歌えるか?を試す)

合計して7、8回。
時間にして5分くらいです。

その後、
左手を優先的に聴きながら演奏すると、
迷うことなく演奏できました。

一応移調しても問題ありません。
速く演奏しても問題ありません。

今回はこれでうまくいきましたが、
もしうまくいかなかったら、
ピッチの精度を高めて行います。



すると、
伸ばせてなかった全音符も、

「ちゃんと伸ばしてね!」なんて言わなくても
伸ばして演奏されます。

なぜなら、
2人の演奏者がアンサンブルしてるように聞こえるので、
伸ばしたくなるからです。

このような
「2人が歌ってるような感覚」で演奏できると、

2人が対話しているように聞こえるので、
演奏するのが楽しいです。

本当に、耳の使い方が重要だな…
と思います。

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https://ozaki-lesson.com/dairy/1683/feed/0
発表会で「メアリーとたのしいどうぶつたち」変奏してみたhttps://ozaki-lesson.com/dairy/1675/https://ozaki-lesson.com/dairy/1675/#respondTue, 19 Mar 2024 22:29:39 +0000https://ozaki-lesson.com/?p=1675

習い初めて半年の生徒ちゃん。 まだ五線は読めませんが、発表会に出演希望される場合は、 今まで弾いた曲を弾くことも多いです。 よくあるのは「新しい曲を譜読みして弾く。」という方法。 それも悪くないけど、 結構、負担が大きい ... ]]>

習い初めて半年の生徒ちゃん。

まだ五線は読めませんが、
発表会に出演希望される場合は、

今まで弾いた曲を弾くことも多いです。


よくあるのは
「新しい曲を譜読みして弾く。」
という方法。

それも悪くないけど、
結構、負担が大きいんですよね。

そんな時にオススメなのが、
変奏や即興です。

今回の生徒ちゃんで行ったのは 、
ピアノアドヴェンチャーの
「メアリーとたのしいどうぶつたち」。

これを連弾で6種変奏しました。
(変奏するのは先生で、生徒ちゃんは同じことを6回弾くだけ)

変奏内容は
1回目:テキスト通りの伴奏
(メアリーが色々なお友達に会いに行くイメージ)

2回目:付点リズム
(男の子が元気に歩いてるイメージ)

3回目:5度のオスティナート
(スコットランドの兵隊さんのイメージ)

4回目:複調
(ロボットのイメージ)

5回目:全音音階
(魔法使いのイメージ)

6回目:ロック調
(バンドのイメージ)

演奏はこちら。


生徒ちゃんには、
変奏それぞれにイメージを持って弾いてもらいます。

生徒ちゃんは、
ドレミの鍵盤しか使ってないのに
ちょっと豪華に感じませんか?

実際の発表会でも、
カッコよかった!と好評でした。


伴奏自体はそんなに凝ったものではないのですが、
変奏するのが大変!

という先生方のために楽譜(有料)も用意しましたので
よかったらどうぞ!

https://ozakipiano.stores.jp/items/656c3071545dc70c8c5f8d09


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https://ozaki-lesson.com/dairy/1675/feed/0
「お家に帰りたくない!」って言ってるみたい!https://ozaki-lesson.com/dairy/1667/https://ozaki-lesson.com/dairy/1667/#respondWed, 14 Feb 2024 12:21:04 +0000https://ozaki-lesson.com/?p=1667

4歳ちゃん。 今、ピアノアドヴェンチャーの「おやつ大好き!」を弾いてます。 この曲は 「発表会で弾きたい曲」に選ばれることが多い曲で この4歳ちゃんもお気に入り。 今日もこれを私と連弾で弾きましたが、 と、突然話し始めま ... ]]>

4歳ちゃん。
今、ピアノアドヴェンチャーの
「おやつ大好き!」を弾いてます。

この曲は 「発表会で弾きたい曲」に
選ばれることが多い曲で
この4歳ちゃんもお気に入り。


今日もこれを私と連弾で弾きましたが、

生徒
生徒

この音、
「お家に帰りたくない!」
って言ってるみたい!

と、突然話し始めます。

先生
先生

ん?!

と、一瞬意味が分からなかったのですが、


実は、音にはそれぞれ個性があり、

その個性の一つ
「ドミナント(終わった感じがしない音)」
を自然に感じ取ったようです。

そこから
「お家に帰りたくない!」
とイメージが湧いたんですね。

その感性に私が驚き、

先生
先生

そうなのよ!
この音、帰りたくない音なの!
よく分かるね!

と話し終わらないうちに 笑

生徒
生徒

んで、これはお家に帰って
『ふー』って感じがする

とトニック(安心する音、終わった感じの音)
を感じてるし

生徒
生徒

これは、遊びに行く感じ!

などと、次々とお話を作ってくれます。

ほんと、この感じ方・感性がとっても大事!!

もちろん将来的には、
この音の個性(役割)を教えていくけど、

まず 「何だか知らないけど、◯◯な感じがする」
とイメージを持つのが大事だし、
これが音楽の楽しさの一つだと思う。

というのも 理論はわかっても、
音のイメージと結びついてないことが多く 、

生徒
生徒

フォルテって書いてるから
大きな音で弾かなきゃ!


となりがちだから。


本当は
「◯◯なイメージだからフォルテ」
なのに…

いや〜、とても楽しい時間でした。

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https://ozaki-lesson.com/dairy/1667/feed/0
やる気を出させるには、超具体的に教えるhttps://ozaki-lesson.com/education/psychology/1646/https://ozaki-lesson.com/education/psychology/1646/#respondThu, 01 Feb 2024 12:17:54 +0000https://ozaki-lesson.com/?p=1646

うちの生徒たちは、宿題以外の曲も弾いてる生徒さんが多いです。(全員ではありませんが約8割くらいの生徒さんがそんな感じ) 発表会では、普段好きで弾いてる曲をほとんど私の指導なしで弾いたり、 また、好きな曲は「こういう風に弾 ... ]]>

生徒
生徒

次の曲も弾いてみたよ!

生徒
生徒

他の曲も弾いてるよ!

うちの生徒たちは、
宿題以外の曲も弾いてる生徒さんが多いです。
(全員ではありませんが
約8割くらいの生徒さんがそんな感じ)

発表会では、
普段好きで弾いてる曲を
ほとんど私の指導なしで弾いたり、

また、好きな曲は
「こういう風に弾いてみた!」と
自分なりの表現をする生徒さんも。


このように「やってみよう!」と
前向きになってくれるのは嬉しいですね。

でもこれは、偶然そうなったのではなく、
科学的根拠をもとに
超具体的に指導したからです。

どうしてやる気は失われるのか?

これまでの私は
生徒がやる気になる
 ↓
たくさん練習する
 ↓
弾けるようになると考えていました。


なので

先生
先生

ご褒美があればやる気になる?

先生
先生

好きな曲、楽しい曲ならやる気になる?

先生
先生

イベントやコンクールに出ればやる気になる?


など、ピアノの学び以外のことで
興味を持たせていました。

もちろん、これは一定の効果はあるけど、

・ご褒美が目的になる
(ピアノが楽しいから。ではなくご褒美をもらうために練習する。になる)
・コンクールで人と比べられることで自信を失う

などデメリットもあります。
(もちろん、こうしたデメリットへの対策をした取り組みなら、とても良いと思います)

でもそもそも逆に

先生
先生

あの入会当初のやる気は、
どうして失われるのか?

と考えると

・何をどう練習すればよいか? が分からない
・そもそも理解できてない

など

「分からない」が主なきっかけになってます。

その後、
コーチング・教育心理学・行動心理学などを学びましたが、

やはりやる気を失うきっかけは、
「どうすればよいか分からない」
が多いようです。

そこで
・楽譜の読み方
・音の鳴らし方
・音の聴き方 などを
超具体的に指導してきました。

超具体的な指導ってなに?

例えば、
練習しようとしない生徒さんの一例だと

生徒
生徒

最初の手の置き方が分からない・・・

があります。

昔の私は、

先生
先生

手の置き方なんて、最初の音読めばわかるでしょ!

と考えてましたが、

先生
先生

「最初の手の置き方」がわかるには何が必要か?


と考えると、

①最初の音を探す
②何の音か?を読む
③どこの鍵盤か?を探す
④何番の指で弾くのか?を見る
⑤置く
⑥反対の手も考える

が必要。

それでも、こんなお困りケースがあります。

①曲の冒頭のある最初の音は分かるけど、
 遅れてスタートする反対の手の最初の音を見つけられない


②そもそも音符が読めてない


②読めてたけど忘れた


②カードでの音符は分かるけど、楽譜だと分からなくなる


②ト音記号(上の段)=右手 が分かってない


③音符と鍵盤の関係性が分かってない
(へ音記号なのに、ト音記号に置いてる)


③真ん中のドがお家と違う


④左手の指番号を間違えて覚えている


①〜④をもたもた考えているうちに①が分からなくなる

などなど笑


一言「最初の音読んで置いて」の中には
これだけの知識が含まれてるんですね。

それだけ「楽譜」というものが
とてもよくできたシステムということです。

これを習いたての小さなお子さんが
自力で行うには少々難しい気がします。

練習しようにも
何をどうしたら良いか?が分からないので

いくらやる気があっても、
曲を弾くスタートラインにも立てないのです。

なので私は、
お困りケースがほとんど解消されたら
これらを付箋に書き、
生徒の楽譜に貼ってます。

これで少し、何をやればよいか?は分かります。


私たち大人も似たような経験がありませんか?

オススメのアプリを聞いて

先生
先生

使いたい!

と思っても、

インストール方法が分からずに
結局使えていないとか・・

でも

①スマホに搭載されている(App Store・Play ストア)をタップする。

②検索窓をタップ。

③検索窓にアプリ名を入力する

④虫眼鏡マークをタップする ・・・


など細かく示されていると
できる感じがしませんか?


なので、
生徒のやる気を上げるよりも、
つまづきを減らすべく

「超具体的に教える」を実践しています。

ちなみにこうした「超具体的に教える」手法は
様々な分野でも活用されています。

というのも、
教育心理学でも、行動心理学でも、教育工学でも、
私が学んだコーチング(やる気を持たせ行動を促すコミュケーション技術)ですら、

細かくステップを踏んで教えます。

よくできた社内マニュアルも
細かく手順が示されているので、

それを見れば誰でもできるように
設計されています。

学校教育も同じ。
算数の面積を学ぶ時でも、

・面積とは?
・どうしてその公式が成り立つのか?
・実際の計算方法
・慣れるまで練習
・文章問題を読んで式が立てられるか?
・自分で問題を作れるか?

とまぁ、素人が思いつくだけでも
これだけ工程があります。

それがピアノ指導となると
「音符読めるよね?
あとは練習してね!」は、

なんて雑なこと…笑

でも1度できると
他の曲でも試す生徒がチラホラ出てきます。

アプリも「じゃあ、他のアプリないかな?」
と他のアプリを検索し
インストールする感覚ですね。


そしてこうした基本操作を何度か行ってみると
教わらなくても、
マニュアルがなくても、
できるようになります。

こうして、
生徒の主体性が芽を出し始めます。

応用方法も教える

とはいえこの

先生
先生

他のアプリでもやってみよう

生徒
生徒

他の曲でもやってみよう!

は、
学んだ基本操作・基本知識を「応用する」ということですが、
この「応用方法」も案外わからないもの。

実際、
大人の生徒さん(結構な高学歴)でも気づかないです。
(やはり、私たちはこの応用も無意識のうちに行っている。と分かります。)

となると、
小さなお子さんが自力で応用するのは、
あまり期待できません。

なので、そこも教える必要があります。
はい…手間がかかりますね…

でも、その小さなつまづきを解決するのが
指導者の仕事だと思いますし、

「習ったことを使って他の曲を弾く」
という応用方法を知らないと、

毎回覚えることが増えて、大変なのです。

アプリで言うと
今回はApp storeからインストールしたけど 、
今度はApp Box(仮名)で、
次はApp Jungle(仮名)らしい…

毎回インストール元が変わり、
その都度インストール方法が違うと
嫌になりませんか?

このように、応用しないと
覚えることが増えるのです。
(ちなみに勉強でつまづく方は、
この応用力が未熟なことが多いです)



なので、めちゃくちゃ大変なのですが
「応用方法」も教えます。

でも「習ったことを使って他の曲を弾く」ができると、
1人でできるので、

長い目で見れば
生徒さんも先生もとても楽。


ちなみに「手の置き方」の
応用方法の教え方はこんな感じ。

①基本手順を書き
横で先生が読みながら指示する 。

②何曲か行う。
この時に「このルールを他の曲でもやってみよう!」
理解力があれば「これを『応用する』って言うんだよ」も伝える

③「次は何するって?」
と生徒さんに読んでもらい行う。

④「先生横で見てるから1人でやってみて」
とメモを見ながらだけど、1人で行う。

⑤メモがなくてもできる

というように
基本知識を使えたあとは
少しずつ先生のサポートを減らして行きます。
(教育用語だと「足場かけ」を減らす)

すると生徒さんは

生徒
生徒

「1人でできた!

と大喜びします。

たかだか「手の置き方」ですよ。

でもその生徒さんにとっては
とても難しい迷路に感じたのでしょう。

その迷路を抜けた後の表情は
自信に溢れています。

ここで生徒さんは 「きちんとやればできる!」
を経験することになり、
やる気が生まれます。

実際、ピアノアドヴェンチャーの場合は
これがやりやすいのです。
なぜならば、超スモールステップだから。

これが次の曲が難しいと、
「弾いてみよう!」とはならないのです。

やる気期待せ、超具体的に教える

なので、ピアノアドヴェンチャーの
・楽しい曲
・細かいカリキュラム
を利用して超具体的に教えると

ほとんどの生徒さんが

生徒
生徒

次の曲も弾いてみた!

生徒
生徒

他の曲も弾いてる!

になってきます。

なので指導者は、
やる気を出させる前に
きちんと教えた方が早いと思うのです。

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https://ozaki-lesson.com/education/psychology/1646/feed/0
どうしたら練習を楽しめるか?https://ozaki-lesson.com/pianoadventure/america/1557/https://ozaki-lesson.com/pianoadventure/america/1557/#respondSun, 29 Oct 2023 22:46:26 +0000https://ozaki-lesson.com/?p=1557

それは練習させることが目的になっているからです。(恥ずかしながらそれは過去の私です…) でも今は、ほぼ全員が など「好き」を表現したい気持ちがあって、 そのうちの8割が など意欲的に練習します。 練習しなきゃ!という義務 ... ]]>

先生
先生

あんなに弾きたかった曲なのに、

練習してくれない

先生
先生

楽しい曲なのに練習してくれない

それは
練習させることが目的
なっているからです。
(恥ずかしながらそれは過去の私です…)

でも今は、ほぼ全員が

生徒
生徒

この曲が弾きたい!

生徒
生徒

ここを小さく弾きたい!

など「好き」を表現したい気持ちがあって、

そのうちの8割が

生徒
生徒

小さな音ってどうやるの?

生徒
生徒

歯切れのいいスタッカートってどうやるの?

など意欲的に練習します。

練習しなきゃ!
という義務よりも

表現したい!
という承認欲求本能が勝るからです。



というように生徒さん全員が
練習を楽しんでいる
わけではありませんが、

レッスンを楽しんでいる
様子はあります。

その「レッスン楽しい!」段階から
「練習が楽しい!」と思えるまでには
いくつかの段階があるので

・どのような段階があるのか?
・どのようなことを心がけているのか?

をおつたえします。

私は元々、

先生
先生

「どうしたらやる気になるか?」
「どうしたら練習するか?」


を模索していました。

そのため、
心理学・コーチングなどを勉強し、

ほとんどの生徒さんが
練習するようになりました。

その状態が
10年ほどは続いていましたが、

「練習自体を楽しんでいるか?」
「音楽を味わえているか?」

を叶えているのは

残念ながら
全員ではありませんでした。


もちろん
「練習する→弾けるようになる→楽しい!」
の工程で楽しんでる人もいます。

そして、弾けると
全員が「嬉しい!」
の気持ちにはなります。


でも「楽しいか?」
と問われると
そうでもない…

じゃあ、
「どうしたら練習を楽しめるか?」
と考えてみました。

音符よりも、音楽を教える

どうしたら練習を楽しめるか?

それは、
・音楽を味わう
・自分の音楽を表現する

つまり
音楽の3大要素:
リズム・メロディー・ハーモニー
を味わえないと、

練習自体を楽しめないように思います。

なので優先すべきことは
練習ではなく…
音符の読み方でもなく…
曲の進度でもなく…

音楽の楽しさを味わうこと


これを体験してるか?
いないか?は、

今後のピアノ学習の楽しさは
大きく変わります。


とはいえ、
リズム・メロディー・ハーモニーを
味わいながら弾くって、
初心者にとっては難しいもの。


そこで色々試した結果、
楽しむには段階があることが
分かってきました。

楽しむ段階とは?

楽しむ段階はこんな感じ。

①曲が楽しい

②弾けて楽しい

③譜読みが面白い

④表現するのが楽しい
→ここから練習自体が楽しくなる


そしてその段階を踏みやすいのが
ピアノアドヴェンチャーです。

もう少し詳しく話すと

①曲が楽しい

ピアノアドヴェンチャーの様々なジャンルの曲、
豪華なオーケストラ音源によって、音楽の楽しさを体感。

でもここで
曲の楽しさに
任せてはいけません笑

その音楽の楽しさを味わっている間に・・・


②弾けて楽しい

教育心理学・発達心理学に基づいた指導で
「弾けて楽しい!」
音楽と一体になった感覚を
経験させたり

「やればできる!」
自己肯定感を上げます。

教育心理学(人が学ぶ仕組み)、
発達心理学(人が成長する仕組み)
を考慮しながらの指導だと
つまづきが少ないのです。

でもここでも楽しさを
テキストに任せてはいけません。

「弾けて楽しい!」
を味わっている間に・・・

「譜読みが面白い!」と、
確実な読譜力を身につける

③譜読みが面白い

ピアノアドヴェンチャーは
「曲を通じて音楽ルールを教える」
という概念指導です。

一つの概念を学んだら
実力がついているか?
を確認するために

移調・即興・変奏・初見などを行います。

音を読んで
ひたすら練習して覚える方法とは
違います。

ここで確実な読譜力があると
譜読みは物語を読むように
面白いのです。

でも譜読みができるだけでは
音楽を味わえるとは限りません。

「譜読みって面白い!」を
味わっている間に・・・

「自分なりの音楽を演奏するって楽しい!」
「試行錯誤が楽しい!」
「作品作りが楽しい」

など自己表現の方法を学びます。

④表現するのが楽しい

このレベルから練習は楽しくなります。

「この和音進行が好き」
「この♯がいいよね」
「左手をもっと出した方が好き」
など、

単につらつらと
楽譜通りに弾くのではなく

「これが好き!」を表現しようとするので
楽しいのです。

というように
それぞれの段階に応じて

先生
先生

こんな楽しみもあるよ!

と、色々な楽しみを教えるようにしています。

その時、肝となるのが譜読みです。

曲を通じて音楽ルールを教える

ホント、
昔の私のレッスンはヒドイ物でした。

・音の読み方
・音の長さ
だけを教えて
「あとは練習あるのみ!」

これでは楽しむどころか、
(ごく一部の生徒さんを除いて)
そもそも弾けるようにはならない。

それで
「弾けないのは練習不足だからよ」は
怠慢だったなあと思います。

でも、
・そもそもピアノは、何を教えれば良いのか?
・どうやって教えるのか?
が分からなかったのです・・・

しかし、アメリカ指導法を学び
多くの生徒さんと関わることで

レッスンが変わり
生徒さんに笑顔をもらえることも増えました。

しかも
曲を通じて音楽ルールを教える
という概念指導を熟知していると、

練習量に頼らず弾けることも多く、
練習不足でも音楽を楽しむことはできます。



こうして
「練習しないと楽しめない」ではなく、

練習自体を楽しめる人
が増えるといいな
と思います。

指導者向け動画講座

ピアノアドヴェンチャーを使って
・何を教えるのか?
・どの順番で教えるのか?
・どう教えるのか?の方法

ご紹介しています。




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https://ozaki-lesson.com/pianoadventure/america/1557/feed/0
隣の音に動くだけなのに、どうして弾けないの?!https://ozaki-lesson.com/dairy/1533/https://ozaki-lesson.com/dairy/1533/#respondWed, 25 Oct 2023 23:49:23 +0000https://ozaki-lesson.com/?p=1533

「お祭りダンス」(作曲:キャロリン・ミラー)の一部です。 今日の生徒ちゃん。 左手で、[ソ]→[1オクターブ下ソ]です。 オクターブの指広げですが音はソしかないので、 音読みは[1拍目ソ]が分かれば簡単ですね。 生徒ちゃ ... ]]>

「お祭りダンス」
(作曲:キャロリン・ミラー)の一部です。

今日の生徒ちゃん。

生徒
生徒

ここ(赤丸)が弾けないの…

先生
先生

左手で、
[ソ]→[1オクターブ下ソ]
へ指を広げるんだよね…?

生徒
生徒

そうなんだけど…

左手で、
[ソ]→[1オクターブ下ソ]です。

オクターブの指広げですが
音はソしかないので、

音読みは[1拍目ソ]が分かれば
簡単ですね。

生徒ちゃんも、
もちろん分かっていました。

このように
「音を読めるけど、弾けない…」
よくあることです。

じゃあ「何が原因なのか?」
を探る必要があります。

その前に、
・今どうなっているのか?の現状確認
・それを本人が分かっているか?の確認

をしましょう。


「できない…」には原因があり
現状によって原因は変わります。

そして原因によって
改善策は変わるからです。

練習量の問題じゃないことも
多いです。

先生
先生

本当はどうしたいのに(理想)、
実際はどうなっちゃうの? (現状)

生徒
生徒

本当は1拍目をソにしたいのに(理想)、
いつもラになっちゃう(現状)…


おお!生徒ちゃんは
現状を分かっているようです。

弾いてる本人が
分かってないケースが
多いですからね…

しかも幸いなのが、
「間違え方は同じ」ということ。

となれば、
原因は特定されやすいので、
早く改善する可能性があります。

これが
「間違え方がいろいろ」となると、

原因特定に時間がかかるし、
原因もたくさんあるかもしれません。

「じゃあ、1拍目がどうして[ラ]になるのか」
の原因を考えます。

どうして隣に動けないのか?


そもそも、
ここの[ソ]を[左1番指]で
弾くために必要なスキルは、

前の[ラ]を1番指で弾いているので、
[1番指を鍵盤1つ分寄せる]という動き。

そして、それができる基本スキルは

「その動きがある」を、本人が分かっている(理解)
その動きを脳が指に伝える(テクニック)
が必要です。

そして
②をスムーズに弾くためには、
②-ⅰ:前の小節からのバス(1番下の音)[ミーレーソー]と、脳内で聴いている(聴く)
②-ⅱ:[ 1番指]が「鍵盤1つ分ずれる」距離感を捉えている(テクニック)
が必要。

そしてさらに②-ⅱのためには、
②-ⅱ-a:鍵盤1つ分動くための身体の使い方ができる(テクニック)
②-ⅱ-b:「ちゃんと鍵盤1つ分動いた!」を指で確認する方法が分かってる(テクニック)
が必要。

青:理論要素  緑:聴く要素  黄:テクニック要素


と、できない原因を掘り下げていきます。
表にするとこんな感じ。


行う順番としては①→②、
そしてさらにはⅰ→ⅱ、a→bの順です。
(ちなみに、a,bができない場合の原因もありますが、
今回はそこまで行かなかったので割愛します)


理由は、②・ⅰ〜ⅱ・a〜bが
身についておれば、

基本的スキルの使い方を
分かってなかっただけなので、

①の本人が認識すれば
弾けることもあるからです。


でも①本人の
「わかってるけど、弾けない」は、

脳が働いてなくて、
単に運動感覚だけなので
②以下が原因です。

なので
何を脳で考えるのか?
を確認します。

どうして「わかるけど、弾けないのか?」

ほとんどの「弾けない」は、
この状態ですね。

主な原因は

・深く理解しきれていない
・脳から適切な命令が出ていない


です。

今回の場合、
②ができない原因は ⅰ〜ⅱが考えられます。

ⅰ:聴けていない
ⅱ:指の動きが分かってない


これらを確認します。



さらに、
②-ⅱ:指の動きが分かってない
の原因は、

「 隣に動く」という気持ちだけで弾き、
指先の触覚を使ってないのが原因です。

これ、意識しているようで
まだ命令の出し方が甘いんですね。

なので

②-ⅱ-a:鍵盤1つ分動くための身体の使い方ができる(テクニック)
②-ⅱ-b:「ちゃんと鍵盤1つ分動いた!」を指で確認する方法が分かってる(テクニック)

と、超具体的に考えます。




しかし
この感覚は人それぞれ違うので、
まずは本人の感覚を優先させますが、

「どうやれば良いのか?」
がわからなかったり、

「いや、その感じだとうまく行かないかも…」
と判断したときには、

もちろん私の方法を教えます。



今回は、
普段これらをレッスンで行っていたので
すんなりできました。

ただ活用できてなかっただけですね。


ちなみに今回の身体の使い方は、

[浮き上がる手首]を使いながら隣に動き、
指先で鍵盤の溝を捉えると良いかも…」
でした。

[浮き上がる手首]とは
ピアノアドヴェンチャーに出てくるテクニックの一つ。

リラックス状態を作り
手首から動く弾き方を指します。


このように、
たかだか「隣に寄せる」という動きでしたが、

改めて見ると
色々なことを考え、
感じながら弾いていることが分かります。

ちなみにこの内容は
レッスンでは5分ほどの内容です。

「できない…」と
悩んで落ち込むのであれば

ここでじっくりと向き合い
・脳内で聴く
・隣に動く距離感や鍵盤感覚を身に付ける

を行っておくと、

同じような動きが出てきた時には
やりやすくなります。


練習は積み重ねが大事ですが、
回数を重ねるのではなく

こうした基本スキルを積み重ねる
ほとんどの方が弾けます。



それが
「とにかく指が覚えるまで弾く」だと、

どうやったら弾けたのか?
が分からないので、

・その場しのぎの練習
・その曲にしか通用しない練習
にしかならず、

使い回しができるスキルが
養われない
のです。


このように
「できない…」には原因があります。

①現状を細かく観察し
②原因を探り
③適切な改善策を伝える



すると、
レッスン内で弾けることも多いので、

自宅練習は
「できてない部分を弾けるようにする練習」
ではなく、

「できたのを定着させるための練習」
なので、

練習も行いやすいのでは?
と思います。






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